ジョージ・ルーカスが原案と総指揮を、米・アカデミー賞受賞監督のロン・ハワードが監督を務めた1988年公開の映画「ウィロー」は、当時の最先端視覚効果を用いて、誰も見たことのないような剣と魔法のファンタジックな世界を描き出し、その後のファンタジー作品に多大な影響を与えた。同作の続編となるオリジナルシリーズ「ウィロー」(ディズニープラスで配信中)の第7話「砕けた海の向こうへ」が1月4日に配信。いよいよクライマックスに突入した第7話では、ウィロー(ワーウィック・デイヴィス)らが“最後の試練”に挑んだのだが、ラストはまたしても不穏な空気が流れた。(以下、ネタバレを含みます)
前回は、トロールたちに連れ去られたキット(ルビー・クルス)とウィローを助けるため、“そこから抜け出せた者はいない”と言われている鉱山スケリンに意を決して飛び込んだエローラ・ダナン(エリー・バンバー)、ジェイド(エリン・ケリーマン)たち。なんとか合流して出口に向かうが、キットが薄氷のような床の下に落ちてしまい、エローラが魔法で救出しようとするところで終わっていた。
第7話の冒頭に登場するのはエリク(デンプシー・ブリク)。誰一人いない廃虚の街だと思われたが、カシミア出身という謎の女性が捕らわれているのを発見する。この女性の名はリリ(ロザベル・ラウレンティ・セラーズ)。社交性の高いエリクは、同じ境遇のリリのことを心配してコミュニケーションを取りながら距離を縮めようとするが、彼女は警戒心が強く、なかなか心を開かない。しかし、やがて信用できる人間だと思われ、彼女からも距離を詰めてくるのだが、実はリリこそがエリクをここに呼び寄せた黒幕だった。
一方、キットは沈んだ水の中でエリクと手をつなげそうになるが、エローラの魔法で救出されたため、エリクとは会えずじまい。キットもエリクもお互い、幻だったんじゃないかと思っているのでは。いろいろありながらも、なんとかスケリンを脱出した一行。エリクのいる場所、不滅の都に行くには“砕けた海”を越えるしか道はない。ウィローはこれを「最後の試練」だという。行って戻ってきた者はいない海を歩いて渡る。どこまで続いているのか、先に何があるのか、地図にも載っていない海の上を。これこそ“最大の試練”と言える。
キットはすぐにでも出発したかったが、体力がなくなり倒れてしまったため、海に浮かぶ奇妙な家で休ませてもらうことにした。そこにいた老人はたくさんの旅をしてきたらしいがちょっと変わり者のよう。しかし、泥を泳ぐマッドマンダーという生物を飼っていて、泥用ソリも所有している。これらがこの後、大いに役立つこととなる。
彼が作る食事は見るからに不味そうで、実際に不味かったみたいだが、食事中に話していた3つほどの旅の話は、記憶が曖昧で肝心なところこそ聞けなかったが、かなり重要なヒントとなっていたのは見逃せない。
翌朝、朝食を作ろうと言ってきた老人だったが、グレイドンが同じ老人がもう一人いることに気付き、偽者の方を殴打して、すぐにここから逃げるようにみんなに伝えた。その偽者の老人はウィローたちを追ってきた謎の生き物だった。
実は今回、グレイドンが覚醒する回でもある。マッドサンダーと泥用ソリを使って全力で逃げるウィローたち。追っ手は速く、ソリの上での格闘となってしまった。しかし、グレイドンが笛を使って魔法で上空を飛ぶ生物を撃退。もう一匹の不気味な怪物はエローラの腕をつかんだ後、あっけなくソリから落ち、追うことをやめた。腕をつかまれた時、エローラも何か重要なことを感じたようだ。
グレイドンが魔法を使えることが分かったが、エローラも自分がもっと強くならなきゃと思い、ウィローに訓練してほしいと申し出る。攻撃だけでなく、防御の魔法も教わり、精神的にもどんどん強くなっていく。ノックマールのマラトリウムで知ったという“ナコト語”の呪文でウィローを吹き飛ばすほどになった。エローラの訓練を見て、キットもジェイドを相手に訓練を始めるなど、いい刺激になっているようだ。
泥用ソリとマッドマンダーによって順調に進んでいたが、「最後の試練」と言っていただけあって、そう簡単に不滅の都に到達することはできない。ウィローは家族の幻覚を見て心が揺らいだり、グレイドンが疲れているマッドマンダーを可哀想だと思って放してしまったり、いつ誰の心が折れてもおかしくない状況となっていた。
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