しかし、いいこともあった。キットとエローラの関係性だ。エローラが、スケリンでキットが父・マッドマーティガンを追おうとしたのを止めたことを謝ると、キットは「私が欲しいものを最初から持っていた。勇気があって、愛されていて、お姫様じゃないこと」と、エローラに嫉妬していたことを明かす。それを聞いたエローラは「私はお姫様になりたかった」と返し、ここで一つ友情が生まれた気がした。
そんな中、不滅の都へと続くはずの海が突然の終わりを示す。崖となっていて、水は滝となって遥か下の方に流れていっている。ウィローたちは戻ろうとするが、エローラは「都はここにあるはず。こんな終わり方じゃないはず」と確信めいた言葉で、前へと進もうとする。実はウィローが何年も前から見てきた夢、「クローンと対決するとエローラが死ぬ運命」だということをエローラは知っていた。
それもあって先に進むかどうか気持ちが揺らぐエローラだが、ここで背中を押してくれたのはキットだった。怖いのは私も同じと励まし、「あんたに力をあげる」と言って、2人は抱き合い、覚悟を決めて落ちていった。
その結果、2人は不滅の都に到達することができた。しっかりと信頼関係が築けていたキットとエローラだからこそ、成し遂げられたこと。そして、ラストで2人はエリクと再会するが、そこにいたエリクは2人が知っているエリクとは全然雰囲気が違っていた。リリがエリクに水を飲ませた時、「これで仲間よ」と言っていたが、その言葉が何を意味するのだろうか。
また気になるところで終わりを迎えてしまった。次回、ついに最終話。エリクと再会できたキットとエローラだが、このままだとハッピーエンドにならない予感がしてきた…。
◆文=田中隆信
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