コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、「新説・桃太郎」をピックアップ。同作は、日本人が昔から慣れ親しんだ「桃太郎」は実はこういう裏事情があったのでは…と作者のおのでらさんの新たな解釈で描かれた作品。
おのでらさんが2022年12月23日にTwitterで投稿し、そのツイートには5万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、おのでらさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを教えてもらった。
よく知られる「桃太郎」では、人に恐れられる存在の鬼。そんな鬼とおじいさんの間に子どもが生まれるシーンから始まる同作。「山小屋に置いておくわけにも、おじいさんが育てるわけにもいかない…」と、生まれた子どもを手放すことで、物語が展開していく。この内容に対して読者からは「本当の鬼はおじいさん」「小さい頃聞いた桃太郎より筋通っててワロタ」とコメントが寄せられている。
また、桃太郎が舟に乗ってお供の動物たちと会話をしながら鬼ヶ島を去るラストシーンでは「鬼がいい奴」「桃太郎の背中が切ない…」という声や、「本編終了後に実家で本当の鬼(おじいさん)に会うんだな…」「後日譚が読みたい!」など、その後の桃太郎を取り囲む話を望む声が多く上がっていた。
――「新説・桃太郎」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
学生時代に友人といろんな昔話の裏設定などを語り合っていた際に、桃太郎ってこういうことだったんじゃないの?という今回描いたネタのベースのようなものができたのですが、いつか描こうと思ったまま10年以上経ってしまいました。
昨年末に開催された冬コミの新刊に桃太郎関連のネタ(物語の裏を考えてしまう話に関するもの)が入る予定だったので、ここで「新説・桃太郎」も描き下ろして収録しようというきっかけになり、このタイミングで描き上げました。
――「新説・桃太郎」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
昔話の桃太郎の中で出てくる違和感を全て解消することです。 桃はどこから来たのか、なぜそんなデカい桃が存在したのか、桃太郎はなぜそんなに強いのか、なぜ桃太郎はいつも鉢巻が描かれるのか、なぜ犬猿雉と会話できたのか、そのメンバーで鬼退治は無理ではないのか…等々。
それらが「桃太郎はおじいさんと山に住む鬼女の間に生まれた子だった」という一つの要素だけで全て解決できるように、ストーリーを構成したというのがこだわった部分です。「鬼の子だった」だと桃太郎の見た目が人間過ぎる点や、なぜ桃に入れられて流されたのかなど解消できない部分があるので、その差分も含めてきちんと解消できたのが良かったです。
――「新説・桃太郎」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
おじいさんのリアクションですね。下山したら川に流した子をおばあさんが拾っていたシーン、桃太郎に角が生え始めたシーン、その桃太郎が鬼退治に行くと言い出したシーン、どれもおじいさんにとっては想定外の事件で色んなタイプの衝撃が走ったと思いますね。
――おのでらさんは「明日から夏コミなので、コミケに参加する漫画」や「メロスが夏コミに行く話」など、「コミケ童話」の作品を多く描いていらっしゃいますが、理由があればお教えください。
コミケ童話の連載を始めた時に「コミケ×童話・昔話を全部描き切ろう」という目標で描き始めたこともあり、結果的に50本近くコミケ×童話・昔話の話を描くことになりました。とはいえまだ描いていない童話・昔話もあるので、また何かしら思いついたら描きたいですね。
――今後の展望や目標をお教えください。
とりあえず今面白い話になりそうと思っているテーマが2本あるので、それらを新連載として始めたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
連載が決まるまでの間にもTwitter上で色々やろうと思っているので、2023年も新作を楽しみにしていて下さい!
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