同時に2003年の舞台「ハムレット」以来、同じくシェイクスピアの「お気に召すまま」(2004年ほか)や舞台上で二役に挑んだ「間違いの喜劇」(2006年)、ローマ帝国皇帝の壮絶な末路を演じた「カリギュラ」(2007年)など蜷川幸雄さん演出の舞台にもたびたび出演し、見る者を圧倒する演技力を体得していった。この時期に放送された「情熱大陸」は番組初の2週連続で、あまりの多忙さに苦しむ小栗の粗野ともいえる素顔がカメラにそのまま捉えられ、大きな反響を呼んだ。
30代に入ると「BORDER」(2014年ほか、テレビ朝日系)や「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(2017年、フジテレビ系)といった硬派な作品で主演を務めることが多くなり、「CRISIS-」では“日本ドラマ史上最高レベル”とも称えられたアクションも披露。生死感を問われるような重みのある役柄に取り組む中で、俳優としての深みも身につけていった印象だ。
そんな小栗が「鎌倉殿の13人」の直前に取り組み、義時とはまた違った“ニッポンのリーダー”像を見せた作品が、主演ドラマ「日本沈没―希望のひと―」(2021年、TBS系)。1月4日からディズニープラスでも配信がスタートし、今再び注目を集めている。
民放を代表する老舗ドラマ枠として近年大ヒット作を多数送り出している日曜劇場枠。この枠で小栗は、“日本沈没”という未曽有の天変地異を前に奔走する環境省官僚・天海啓示を演じた。1973年に小松左京が著した小説「日本沈没」を原作に、舞台を2023年の東京に置き換え大胆にアレンジした作品だ。
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