<スター・ウォーズ>類い稀な能力を持つ規格外のクローン部隊“バッド・バッチ”の軌跡

2023/01/09 11:10 配信

映画 アニメ コラム

「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」は、ディズニープラスで配信中(C) 2023 Lucasfilm Ltd.

映画やドラマで描かれている「スター・ウォーズ(SW)」ワールドのさらに細部を描いているアニメシリーズ。その中で、「スター・ウォーズ」新3部作の最終章「―エピソード3/シスの復讐」後の銀河帝国誕生間もない世界を描いているのが、アニメ「スター・ウォーズ:バッド・バッチ」だ。そのシーズン2が、1月4日から配信開始。まずは作品そのものとシーズン1のストーリーを解説する。(以下、シーズン1のネタバレを含みます)

変異遺伝子を持つクローン部隊が“オーダー66”に反旗


“SW”の映画をちゃんと見たことがない人でも知っているであろう白いマスクの兵士“TKトルーパー”。彼らは銀河帝国軍の忠実過ぎる兵士だが、同作は彼らが誕生する以前の大戦時代に主要だったクローン兵士が主人公のアニメーションだ。クローン兵士はその多くがTKトルーパー以上に任務に忠実な存在で、人間のように自ら考えて判断することはない。だが、ごく稀に優れた能力を持つ変異遺伝子のクローンが誕生し、それらが集うのが「バッド・バッチ(不良分隊)」こと特殊部隊“クローン・フォース99”である。

メンバーはリーダーのハンター、力持ちのレッカー、操縦士のエコー、メカから歴史まで幅広い知識人のテク、そして狙撃手のクロスヘアーの5人。ユニークなクローンとして、ミッションの遂行を自分たちで判断してきた“99部隊”は、共和国の最高議長暗殺を企てたジェダイを暗殺せよという“オーダー66”に即座に従わなかったことから、追われる身となる。しかし、制御チップに行動と思考を操作されたクロスヘアーのみ、他の4人と行動を共にせず、一人、生まれ故郷(自分が作られた惑星)の惑星カミーノに残り、帝国将兵となってハンターたちを追う側となる。

ハンターら99部隊に、謎の少女オメガが入隊!?


だが、惑星カミーノから逃れた99部隊は、以前と変わらず5人編成だった。カミーノで医療補佐をしていた子どものクローン・オメガが、状況の異変を察してSOSのシグナルを出していた。そのため、一度は任務のために惑星カミーノを離れていたが、彼女を救出するために帰還し、彼女と共に銀河へと飛び立つのだった。(この際、クロスヘアーはカミーノに残った)

シーズン1でのハンターらは、賞金稼ぎから特殊遺伝子を持つオメガを守る資金を稼ぐために各惑星から情報屋のシスの元に届く依頼を受けて、人々を助けてきた。その多くは帝国に捕らえられた惑星ラクサスの権力者などを解放するもので、そこからも帝国が武力行使で人々を制圧していることが伝わってくる。当初はオメガの安全を考慮して帝国への反乱分子にも加わらずに来た99部隊だったが、帝国軍の非人道的行為の数々を目の当たりにしたことで行動は共にせずとも気持ちは彼らと共にあるようだ。

一方、チームを外れたクロスヘアーの仲間への執着心は相当で、ことごとく彼らの命を狙い続けてきた。シーズン1のラストでは、運良く捕らえたハンターをエサに全員を殲滅しようとオメガを含めたチームを惑星カミーノに誘導するが、思考力のある兵士を好まない帝国軍に攻撃され、クロスヘアーも生死を彷徨う。結果的にハンターやオメガに助けられるが、いまさらみんなに合流することもできず、一人、仲間の脱出を見送るのだった。その後のクロスヘアーの消息は不明だが、99部隊の4人と成長したオメガは元気に楽しくやっているようだ。