コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、クラスメイトである霧尾くんに想いを寄せる女子高生二人の日常を描いた『霧尾ファンクラブ』(実業之日本社)をピックアップ。
作者の地球のお魚ぽんちゃんさんが2022年12月15日に、コミック1巻に収録の第1話と第3話をそれぞれTwitterに投稿したところ、“推し”を愛するがゆえの妄想や言動が、想像の斜め上に展開するシュールな内容に反響が相次ぎ、あわせて5.2万以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、地球のお魚ぽんちゃんさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
三好藍美と染谷波は、クラスメイトの“霧尾くん”に想いを寄せる女子高生。二人の話題にあがるのはいつも霧尾くんのことばかり。ある日、霧尾くんのおならが引くほど爆音だったら…と妄想しながらゴミ出しをしていた藍美と波は、霧尾くんのそばでおならが聞ける選ばれし者=恋人の存在を勘ぐるも、実際には霧尾くんについて何も知らないことを互いに嘆いていた。
ゴミ捨てを終え教室に戻ると、霧尾くんの机の上に残された学ランを見つける。忘れ物を届けて話すきっかけにしようと考えた二人は、どちらが霧尾くんに上着を届けるかを賭けて、“制限時間1分以内に霧尾くんの好きなところを教室の黒板に多く書けたほうが勝ち”という勝負をする。「やさしいところ」「クールなところ」と書く波に対して、藍美は「目耳鼻口毛骨胃」のほか「肺」「心臓」「肝臓」「じん臓」「大腸」などで稼ぎ、圧勝し…。
友人であり霧尾くんを愛するライバルでもある藍美と波の二人が、時に妄想を交えながら霧尾くんへの愛を炸裂させる学生生活の日々をシュールに描いた本作。第3話では、藍美が見た霧尾くんの夢が正夢となり、霧尾くんと会話することになる二人の様子が面白おかしく描かれている。Twitter上では「おもしろすぎ」「新しい!」「声出して笑った」「思ったより斜め上に拗らせてる」「この漫画気が合う」などのコメントが集まり、話題を集めている。
――『霧尾ファンクラブ』が生まれたきっかけや理由があればお教えください。
自分自身の推しへの偏った感情を、記録に残したかったからです。企画当時、2年間推してる推しがいたのですが、推し愛用の香水を買って舐めたりしているうちに「この行動を漫画にしたい」と思いはじめたのがきっかけです。
――友人であり霧尾くんを愛するライバルでもある藍美と波、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?
「キモいけどキモくない奴」と「キモくないけどキモい奴」を描きたくて、それぞれを藍美と波の個性へ落とし込みました。
――藍美と波によるギャグセンスあふれる掛け合いと、想像の斜め上をいく二人の妄想や一方通行な愛情表現が面白い本作ですが、地球のお魚ぽんちゃんさんにとって本作を描くうえでのこだわりや特に意識していることはありますか?
キャラクターの「キモさ」と「愛おしさ」を妥協しないように意識しています。
――登場人物たちが感情に左右されながら見せる様々な表情も毎話インパクトがありますが、キャラクターの表情描写や作画についてのこだわりがあればお教えください。
なるべくリアルな表情に近づけたいと思っているので、特殊な表情をしているコマはだいたい自撮りを参考に描いています。
――各話のストーリーを生み出す際の元ネタやきっかけとなるものはどんなところにあるのでしょうか?
自分が推しに対して思っていることをメモ帳に書き残すのが癖で、その中からよくセリフやネタを拾ってきています。
――本作の中で、地球のお魚ぽんちゃんさんが特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
思い入れがあるのは、3話で藍美が行う「儀式(どりょく)」のシーンです。理由は、私がいつもやっているからです。
――作中、霧尾くんの“顔”が一切描かれていないのも印象的です。霧尾くんの顔をあえて描かないのには、どんな理由があるのでしょうか。
顔を描かない理由はいくつかありますが、「読者の方に、霧尾を各々の推しに変換して想像してほしい」からです。推しがいる人は少なからず『霧尾ファンクラブ』に登場するような偏愛思考があると思うので、藍美と波のふたりを自分の鏡のように見てもらえたらいいなと思い、あえて霧尾の顔を描かないという選択をしています。ですが、霧尾の顔を描かないいちばん大きな理由は他にあります。それはこの作品を続けていく中で徐々に明らかになっていくかと思うので、引き続き楽しんで読んでいただければ嬉しいです。
―― 最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも「霧尾ファンクラブ」を応援いただきありがとうございます。これからも楽しんでいただけるよう、誠心誠意がんばります!
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