コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、鈴木快さんの漫画『会話にちょっぴり毒がある生き物好きの女のコの話』だ。
1月2日に投稿されたツイートには、1.3万いいねを超える反響が集まっており、「ギャップ萌え!」「めっちゃタメになる」「生き物好きになる」といったコメントが集まっている。今回は、作者の鈴木快さんに話を伺い、創作の裏側などを語ってもらった。
主人公の安仁馬さんは、スタイルが良く校内一の美人として知られているが、本当の顔は少し違う。生き物の知識が豊富で、「油断してたらすぐ"豚"になっちゃう」と語る女の子に対し、家畜の豚と成人女性の体脂肪率を比較し「みんな豚よりよっぽど豚だから」と言うなど会話にちょっぴり毒があるのだ。そんな安仁馬さんの毒っぷりにうろたえる人も多いが、たまに見せる笑顔は破壊的にかわいいというギャップの持ち主である。
ある日、しがない男子高校生でクラスメイトの日野くんは手を滑らせスマートフォンを落としてしまう。拾ってくれた安仁馬さんは、待ち受けにしていたうさぎの画像を見た途端に顔をほころばせた。実は、"無類"のウサギ好きだったのだ。「よかったら一緒に見に行かない?」と声をかけると、まさかの快諾。
緊張しながらもウサギが好む野菜などを調達し、2人で日野のおじいちゃんの家に向かう。ウサギを目の当たりにした安仁馬さんは、ずっとウサギにメロメロで…。
美人でクールな安仁馬さんが会話のなかで意識なく毒づく一面や、ウサギにメロメロになる一面などさまざまなギャップを見せる本作。Twitter上でも「美女×生物好きの相性がめっちゃいい!」「安仁馬さんにどハマりしました」「ギャップがたまらない」など、さまざまなコメントが寄せられた。
――『会話にちょっぴり毒がある生き物好きの女のコの話』を創作したきっかけや理由があればお聞かせください。
元々私自身が、動植物や昆虫などの知識を得たり人に話したりすることが好きだったので、生き物のおもしろさをそのままマンガのネタに使えないかと思ったのがきっかけです。
――『会話にちょっぴり毒がある生き物好きの女のコの話』では、無意識に毒づく強い一面とピュアで優しい一面をもつ安仁馬さんのギャップが印象的です。安仁馬さんのキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか。
数年前に描いた読み切りマンガがあるのですが、その作品をツイッターに乗せた際に好評を得たため、ヒロインの容姿や口ぶりを流用して安仁馬さんというキャラに作り変えました。見た目がクールで美人な女の子が、こんな珍妙で奇天烈な言動をしていたら楽しいだろうなぁという感覚から、安仁馬さんが誕生しました。
―― 『会話にちょっぴり毒がある生き物好きの女のコの話』の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
日野くんのスマホの待ち受けのウサギを見て表情が緩むところです。それまでずっとクールで仏頂面だった安仁馬さんに「こんな顔もさせていいんだ」と、自分の中で殻を破ることができた場面です。以降、安仁馬さんの表情にバリエーションをつけることに抵抗がなくなったので、とても良かったと思います。
――鈴木さんの作品では、本作を含めギャップのある女性とそれに振り回される男性の掛け合いが目を引きます。本作に限らず漫画のストーリーを作る上でこだわっている点や意識している点があれば、お教えください。
一番大事にしていることは「わかりやすい話」を描くという点です。おもしろいテーマやネタを取り扱っていても、その"良さ"が伝わらなければ全く意味がないので、まずは「どんな話かわかってもらう」ことを念頭に置いて、話を作るよう心がけています。
また読んだ人から「どんな感想を言って欲しいか」ということもよく考えています。そこをおざなりにすると、ストーリーの方向性がブレてしまうからです。
――今後の展望や目標をお教えください。
これを機に安仁馬さんの存在を多くの人に知ってもらって、単行本化された際には読者の皆さんに購読して楽しんでもらいたいです。また動物園や水族館などといった施設と一緒に、なにか仕事やコラボができたらすてきだなと思います。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
マンガは読み手がいるからこそ存在意義があると私は考えています。作者一人で作品を支えることはできないので、どうか末永く、そしてたくさんの方々に応援して欲しいです!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)