雨宮天、“声優オールスターズ”出演の「スパイ教室」でリーダー格を好演 シンガーとしても非凡な才能発揮

2023/01/28 06:10 配信

アニメ コラム

雨宮天※画像はWEBザテレビジョン タレントデータベースより

「第32回ファンタジア大賞」にて大賞を受賞した、竹町のライトノベルを原作としたアニメ作品「スパイ教室」(毎週木曜夜11:30-深夜0:00、TOKYO MXほか/ディズニープラスなどで配信中)は、各国のスパイによる“影の戦争”が繰り広げられる世界で、“不可能任務”に挑む機関「灯(ともしび)」に所属することになった実践経験のない少女スパイたちと、「灯」の創設者であるすご腕スパイのだまし合いを描く、スパイファンタジー。本当にシンプルに書くと、卓越した男性スパイであるのに指導がからっきしへたくそなクラウス(CV:梅原裕一郎)と、女性スパイ養成学校の落ちこぼれ生徒たちの物語ということになろうか。クラウスは「灯」を率い、リーダーにリリィを任命する。彼女はコードネーム“花園”、ストーリーの要といえる役どころであり、このリリィを好演しているのが雨宮天である。今回は、幅広いエンタメに精通するジャーナリスト・原田和典氏が雨宮の魅力に迫る。

“声優オールスターズ”の中で一際輝く存在感


既にPVやオーディオドラマでリリィに扮(ふん)してきたといえ、アニメで取り組むことにはまた、格別の思い入れがあるようだ。雨宮、梅原の他、伊藤美来、東山奈央、悠木碧、上坂すみれ、佐倉綾音、楠木ともり、水瀬いのりという、さながら“声優オールスターズ”と呼びたくなるキャスティングの中でも、弾むような声使いが一際耳に届く。さらに、雨宮は1月18日からスタートした連続ドラマ「スタンドUPスタート」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)では、主人公の専属秘書役(姿を見せない)に扮している。ファンにとっても実にうれしい、昨年以上にチェックが忙しい一年になりそうだ。

沢城みゆきに感銘を受け声優の道へ


ところで、声の聴こえ方を左右するのは“倍音の乗り”であるというのが筆者の考えだ。無理に音量を上げなくてもよく声が通り、よく響く人はとんでもなく豊かな倍音の持ち主であるはずなのだ。取材した中で筆者に最も深い倍音を感じさせた1人に声優の沢城みゆきがいるのだが、雨宮は沢城の声に感銘を受け、声優を志すようになったというではないか。2011年に「第2回ミュージックレイン スーパー声優オーディション」の合格者の1人となり(ちなみに、第1回合格者は寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生という豪華さ)、翌2012年に声優デビュー。

2014年には「一週間フレンズ。」で初のメインヒロイン役となる藤宮香織の声を演じるとともに、歌手としてのキャリアもスタート。2021年、“歌のうまい人専門番組”的なニュアンスも濃いYouTube「THE FIRST TAKE」に声優として初めて登場したのも記憶に新しい。ソロとしての活動に加え、先のオーディションで共に合格した麻倉もも、夏川椎菜とのトライアングルガールズユニット“TrySail”でも、心に残る歌を多数リリースしている。

声優・歌手として躍進を続け、最近はDMM TVのCMで丸眼鏡&お団子ヘア姿も披露し、オードリー・春日俊彰らと軽妙なやりとりを繰り広げて話題を集めている雨宮。全収録曲の作詞・作曲を手掛けた初のEP『雨宮天作品集1-導火線-』も3月22日(水)に発売されるというから、今後はソングライターとしての一面も味わえることになりそうだ。この才人が、どこまでファン層を広げていくのか、楽しみしかない。

◆文=原田和典

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