アメリカ・フィラデルフィアの公立小学校を舞台に、熱心な教師たちの奮闘を描くコメディドラマ「アボット エレメンタリー」が話題となっている。優れた映画とドラマに贈られる第80回ゴールデングローブ賞が現地時間の1月10日に発表され、同作がテレビ部門の作品賞(ミュージカル/コメディ)、キンタ・ブランソンが主演女優賞(ミュージカル/コメディ)、タイラー・ジェームズ・ウィリアムズが助演男優賞と、主要3部門を受賞した。国内でもシーズン2の配信が始まる前に、あらためて本作の魅力を紹介する。
「アボット エレメンタリー」は、2022年のエミー賞・コメディ部門でもシェリル・リー・ラルフが助演女優賞を、キンタ・ブランソンが脚本賞を受賞し、米批評サイトRotten Tomatoesでは100%フレッシュ(高評価)を獲得している。まだ視聴していない人に本作の最も特徴的な点を伝えるならば、ドキュメンタリーっぽく映像が作られている“モキュメンタリ―シットコム”であること。コメディ要素の多いフィクション作品で、会話の小気味よさにクスッと笑ってしまうのはもちろんだし、日本のドラマではあまり見かけない制作スタイルがクセになってくるだろう。
コメディの中にも、公立小学校の教師たちが抱えるさまざまな問題がちりばめられている。学校経営に余裕があるわけではないため、児童が汚したラグの交換ひとつとってもなかなか話が前に進まない。人員も予算も十分にはないのだ。ちびっこギャングのようなヤンチャな子どもの対応に悪戦苦闘しつつも、教師たちが自分の仕事と子どもたちを愛していく姿が描かれる。
個性あふれるキャラクターも魅力的。特に主役の教師・ジャニーンを演じるキンタ・ブランソンは主演のみならず、脚本・製作総指揮・クリエイターも兼務しており、新進気鋭のコメディー女優として、米TIME誌の「2022年度、最も影響力のある100人」にも選出されている。日本人には少々わざとらしく見えがちなシットコムコメディの演技を、とても自然に見せてくれるため、1話見終わる頃にはジャニーンを応援するような気持ちで見入ってしまうだろう。シットコムを見慣れていなくても問題ない作品だ。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)