テレビ大好きイラストレーター・渡辺裕子さんが、お気に入りの番組をかわいいイラストで紹介する連載「いつもテレビをみています」。第8回は「あざとくて何が悪いの?」(毎週日曜夜11:55-深夜0:25、テレビ朝日系)をチョイス。
「あの子、あざといよねー」などと誰かと話す時、「あざとい」はどちらかというと悪口として使われていたのではないでしょうか……この番組ができる前は。タイトルそのまま、「あざとくて何が悪いの?」と、「あざとい」という言葉の意味について、再定義してしまったかもしれない番組ですよね。
山里亮太、田中みな実、弘中綾香の三人とゲストが「あざとさ」についてにぎやかに語り合うのを見ながら大笑いし、一緒に心のあざといボタンを連打する夜が好きです。あざとい行動をする人たちを悪く言うのではなく、みんなで「あるあるー」「うまいわー」「私もこれやるー」と次々肯定していくのがいい。そうですよね、相手を気持ちよく喜ばせて、自分との関係をよくしたいという行動は、悪いことじゃない。そしてそれって、恋愛だけじゃなく普段の人間関係でもよくあることで、「相手によく思われたい」という気持ちでする行動と、「あざといよねー」と言われる行動と、あまり変わらないかも。関係性がよくなるなら、あざとくて何が悪いの?という開き直りとポジティブさ、気持ちいい。
最近は「あざと連ドラ」として番組内でドラマが進行していて、主人公たちがあざとさをどう発揮して恋を進めていくのか、これも楽しみになっています。ドラマの彼らのあざとい行動を見たゲストの発言が、一般的なインタビューではなかなか聞けないような話で、こんな恋愛観を持っているのか、という発見がたくさんあるのもおもしろい。
使われる音楽がかっこいいところも好きです。恋愛話の、時にはちょっとえげつない話になりそうな部分をぎりぎり品よく抑えてるのは、音楽のセンスの良さのおかげなのかも。そしてMC3人の、本音ではあるけれど誰かを傷つけないトークもちょうどよく心地よい。女性二人の鋭いツッコミを、受け止めておもしろくまとめていく山里さんのトーク力もいい。いろんなバランスがとれている、他にはないバラエティーだと思っています。
■イラスト・文/渡辺裕子
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