そして、デビューから半年後の2006年5月。3曲目の「U」でキュヒョンが加入する事に。当時、練習生だった彼は、ある日突然、スジュの追加メンバーになることを告げられたんだそう。彼は、回想インタビューの際、「僕が新メンバーとして紹介された時、メンバーは…」と言った後、「その……。何て言うか……」と、ツラそうな表情で言い淀み、「敵に会った時のような目で、いまだに忘れられない」と語った。
しかし、イトゥクは「当時は余裕が無く、初めて会った時がいつだったかも思い出せない」と言い、ドンヘも「ジャケ写撮影の時に“キュヒョン”って人が来て、一緒に居たのは覚えてる」と薄い記憶ながら、敵対視をした覚えはないそう。
だが、キュヒョンにとってはツラい思い出として刻まれた。「メンバーは隠すだろうけど本当に睨まれたんです」と語るうちに当時の想いがよみがえり、涙を浮かべる一幕も…。真実は当人たちにしか分からないが、当時20歳、最年少で、すでに出来上がっている12人の中にいきなり入れられた、キュヒョンの苦悩は察することができる。
この「U」で、彼らは3曲目にして遂に念願の歌番組での1位を獲得。韓国では地上波の歌番組で1位を獲る事は歌手の悲願で、過去のどんな苦労も報われるぐらい価値がある事なのだ。最近はその風潮も少しずつ薄まってきてはいるが、2006年当時はまだまだ絶対的なチャート至上主義。そんな中で「SBS人気歌謡」で1位に輝き、メンバーもファンもスタッフも大号泣したのだった。この時の様子ももちろん収録されており、感涙にむせぶメンバーの姿も見ることができる。
上昇気流に乗ったスジュだが、ヒチョルやキュヒョンが事故で大ケガを負ってしまうなど不運な出来事も起こり、作中では当時の状況についても語られている。そんなアクシデントを乗り越えて、2007年、アジア最大の音楽祭「MKMF」(「MAMA」の前身)で「今年の歌手賞」を受賞。デビューから2年での快挙だ。そして彼らの波乱万丈な物語は、明けて2008年のソウルでの初コンサートから始まる第2話に続いていく。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部
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