――2023年はデビュー15周年の節目になりますが、これまでを振り返ってみていかがですか?
あまり自分が芸歴何年というのを数えていなかったので、今言われて「15周年なんだな」と思いました。あっという間でしたね。
――ご自身にとってターニングポイントとなった作品はありますか?
いっぱいあります! 最初にお芝居を楽しいと感じたのは、「駆込み訴え」(2010年、NHKBS2)です。ナレーションが香川照之さんだったのですが、たくさんのことを学ばせていただきました。
最初は真面目に考えすぎていて、お芝居もテストみたいに「100点を取ろう」と思っていたんです。でも、お芝居は算数じゃなくて国語じゃないですか。100点を取るということよりも、どこへ向けてのアプローチかを理解した作品でした。
「桐島、部活やめるってよ」(2012年)では、同世代にこれだけ熱量を持った役者がいるんだということを知りましたし、作品自体もヒットしてお仕事も増えたので、すごく印象に残っています。
あと、お芝居のスランプを乗り越えたなと思うのは「心の傷を癒すということ」(2020年、NHK総合)です。多重人格の役を演じたのですが、現場のスタッフさんも温かかったですし、柄本佑さんとご一緒する中で得たものが大きかったです。
――いろんな俳優のお名前が出ましたが、特に影響を受けた方はどなたでしょうか?
一番衝撃を受けたのは、香川さんです。共演した時期は、真奈みたいな役を演じることが多かったので、感情を爆発させるような役ができないんじゃないかと悩んでいたんです。
なので、空き時間に香川さんに「どうしたらいいんですかね?」と相談したら、さらっと流されてしまって。“そんなこと先輩に聞くもんじゃないな”と思っていたら、その後の撮影でカットがかかった瞬間、香川さんが(大声で)「素晴らしい、ブラボー!」って言い出したんです。
香川さんに褒められることなんてないので、現場がすごく盛り上がって。その直後に香川さんが私のところに来て「役だけの中で開放するんじゃなくて、現場から開放していけば“この人って開放的なんだ”って思って周りも受け入れるし、お芝居することも楽になるんだよ」と言っていただいて。
すごくかっこいい教え方だなと思いましたし、とっても衝撃的でした。