世界的な成功を収め、快進撃が続くかと思った矢先、ハンギョンの脱退という試練が訪れる。リーダーのイトゥクは「もっと気遣ってあげれば良かったのかな、と自分の過ちのようで、罪悪感を覚えた」と後悔の念を表し、ドンヘは「メンバーが1人1人抜けていくたびに、手に入れたものを失うような気持ちになった」と当時の不安を語った。ハンギョンと特に仲の良かったヒチョルはかなりショックを受けたようだ。
そんなピンチを乗り越えて発売した「美人(BONAMANA)」は、台湾のチャートで連続60週以上1位という驚異的な記録を打ち立て、続く「Mr.Simple」も大ヒット。彼らはアジアだけでなく欧州、南米など文字通り世界を股にかけ、ワールドスターの道を歩き出した。
だが、この辺りからメンバーの兵役期間が始まり、2019年に末っ子のキュヒョンが召集解除になるまで約9年間、常に誰かが欠けている状態で活動を続けることとなる。
残っているメンバー4人だけでステージに立ったこともあり、その姿が「ものすごく惨めだった」とイトゥクは振り返った。グループの寿命が短くなっているとも感じたし、周りから「あんなに人数が減ってかわいそう」と思われるのがイヤでがむしゃらに頑張ったけど、それが逆に哀れに見せていたかも…と語った。
当時入隊中のシウォンは「いくらステージに立ちたくても、これは違う」と思ったそうだ。それに対してキュヒョンは「何がそんなに心配なの?今は4人でも、皆戻ってくるじゃん」と楽観的に受け止めていたとの事だった。
兵役問題の他にも、いくつものアクシデントが起きたが、そのたびにメンバーは力を合わせて乗り越えて、活動18年目に突入した。
「メンバーたちが今までもこれからも共に活動する原動力は、お互いの尊重と配慮、そして理解と信頼」と語るシウォン。「今、残っているメンバーは、絶対どこにも行かない。どんな形になってもSUPER JUNIORだ。そんな思いがあったからここまでやってこれたし、問題があっても乗り越えて、より固い絆で結ばれ、前進することができたんです」と長くグループを続ける秘訣を明かしてくれた。
リョウクが「一緒に居ると相乗効果が生まれるから、ずっとメンバーと居たい」と言えば、イェソンも「おじいさんになってもスジュでいたい。そして、ずっと駆け出しの頃の気持ちで活動したい」と語り、シンドンも「永遠に生き残るグループになるための挑戦がしたい」と、今後の夢を話した。
15周年記念に作られた、イトゥクとイェソンが作詞をした「The Melody」で歌われているように“似ているところが1つも無い”彼らが出会い、スジュが生まれた。当然、気が合う仲間ばかりではないし、多かれ少なかれ揉め事もある。若い頃には殴り合いのケンカも何度もしたし、今でもメンバーが誰かをからかってイラつかせたりすることもある。
だが、メンバーたちの想いを聞いて、どれだけグループを大切に想っているか、また、何だかんだ言ってもお互いをちゃんと認め合っている事が感じられて、スジュはこの先、何があってももう大丈夫。と思えた。ヒチョルとキュヒョンが目標とする「とりあえず20周年」は、もう目の前だ。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部
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