夜道雪が赤裸々に振り返る、東京住宅事情／夜道 雪のBlowin' the Night wind！#6「東京"LDK"物語」

神物件に出会ったと思ったら…？

次に住んだ場所は、10階建ての10階、角部屋。鉄筋コンクリートの築20年。駅から徒歩20分。周りに飲食店もないどころか、建物が無かったため、窓からの見晴らしも良い。しかも風呂トイレ別。宅配ボックスやオートロックも付き、バイクがおける駐車場まである。まさに神物件！バイク乗りには、駅近物件なんてどうだっていいのさ。
ここでの暮らしはもう快適そのもの。もうここで生きてここで死のうと思った程だった。

だが一年程経った日から、週に2.3回くらいの頻度で深夜3時頃にピンポンダッシュをされるようになった。
しかも一階のオートロックからのピンポンではなく、必ず私の部屋の前のピンポンを鳴らされる。外から来た人間ではなく、同じマンション内の人間による仕業じゃないかと疑った。
シンプルに恐ろしすぎて放置してたら段々エスカレートしていき、ドアノブをガチャガチャされるようになった。警察に相談したところ、このマンションは監視カメラがついておらず犯人がわからない、とのこと。
都会の人間は怖い、おら田舎に帰(け)える。とホームシックになりかけた。せっかく新しい環境にも慣れてきたところだったのに…。

そうも言ってられないので、新たな物件を探した。
そこで一目見てビビッときた物件があった。少々家賃が高く、まいったなと思いつつもかなりの良物件だったため不動産屋に電話をした。