──斎藤さんは元々ミュージカルに詳しかったというわけではなく、「レ・ミゼラブル」ご出演きっかけでその魅力に触れていった形かと思います。ミュージカルを普段観ない方に、ミュージカルの面白さを尋ねられたらどう説明しますか?
「マチルダ」もそうですが、ミュージカルの曲って世の中にあふれているから、どこかで聞き覚えのあるメロディがたくさんあって、作品を観ることでそれに気づいて答え合わせできる感覚がおもしろいです。知らない他の曲もみんないい曲だし、ベストアルバムみたい。あと、ミュージカルを観たことのない方のイメージって、それこそ突然歌い出すコントのような感じだと思うんですが、実際観るとセットもすごいし、もっと分厚いものだとわかって心が動かされると思います。
特に今回の「マチルダ」は、子供たちの歌がすばらしい。小さなお子さんが観て、もし内容が全部わからなくても、きっと歌を通じて感じられるものがあるので、ファミリーでの観劇にもピッタリだと思います。次世代のスターが生まれるきっかけにもなるかもしれません。
──主人公のマチルダは5歳で、ちょうど斎藤さんの上の娘さんと同じお年頃です。父親の役を演じる上で、重ねる部分はありますか?
ミスター・ワームウッドはマチルダに対して無関心なように見えますが、お話を見ていくと一応愛はあるのかなと思うんです。彼なりの教育方針は持っている。そこに共感できる部分はあります。
僕は娘をめちゃくちゃ愛してますが、たとえば朝起きて着替えるとき、ひとりで着替えさせずに手を貸しちゃうし、一緒に散歩に行ったらおやつも買ってあげちゃう。妻から、娘が僕を好きなのは「おやつを買ってくれるから」だと言われて。こういう薄い優しさが子供の独り立ちを妨げるのかもしれない…と思いまして。マチルダのようにたくましく育ってほしいから、時には心を鬼にすることも必要なのかなと思いました。
──「レ・ミゼラブル」初出演時、ミュージカルをやることで普段の漫才も新鮮に感じられるとお話しされていました。ミュージカル出演を重ねる中で、漫才をはじめとしたご自身の活動への影響はいかがですか?
やっぱり基本的な声の出し方から学べたのは大きいです。芸人としては教えてもらう機会がないので、お客さんに伝わる喋り方を身につけられた。僕はすごく飽きっぽい人間なので、色々やってみることで漫才にも生かせていると思います。
あと「ミュージカルに出ている」ってすごいことじゃないですか。だから最近は必要以上に台本を見せびらかしています。昔昼ドラに出すぎた(ピース)綾部さんもそうだったんですけど。「あ、ごめんごめん俺の」とか言って(笑)。
──斎藤さんは「スターになりたい」気持ちがあると以前発言されていましたが、ミュージカルに出演される中でそれを感じる部分もありますか?
ありますね。海外のスタッフさんと英語で話したりしていると、もちろん言ってることが全部わかるわけじゃないですが、海外の現場ってこういう感じなのかなって思ったりして。いつかはロンドンを歩いて、道行く人に「ワーオ!サイトウ!」とか言われるようになりたいな…って、「スターになりたい」という気持ちを思い出せます。
──これからミュージカルでどんな役を演じてみたいと思いますか?
ずっと言ってますけど、二枚目の役ですね!今回のミスター・ワームウッドもそうなんですが、僕、ミュージカルではカツラをつけていることが多いんですよ。だったらイケるじゃん!と思って(笑)。
──どんな二枚目がいいでしょう?
とにかくキスシーンの多い役がいいです。ラブストーリーで。それか色気のある…「オペラ座の怪人」みたいな。声の良さを生かした役をやってみたいですね。
──最後に斎藤さんの思う「マチルダ」の見どころを教えてください。
僕は韓国ドラマをめちゃくちゃ見るんですが、復讐ものが人気で。何がすごいって、悪役がとにかく悪役なんです。「マチルダ」では、ワームウッド夫妻も敵役ではあるけど、何よりミス・トランチブル校長。絶対的な偏った考えの悪役がいることで、皆がひとつになって復讐を楽しめるのがいいと思います。マチルダ達が虐げられながらも、負けずに強く立ち向かう姿を応援してください!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)