もはや原型すらない「行列のできる相談所」/テレビお久しぶり#36

2023/02/10 21:30 配信

バラエティー コラム 連載

「テレビお久しぶり」(C)犬のかがやき

長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は「行列のできる相談所」(毎週日曜夜9:00-9:54、日本テレビ系)をチョイス。

もはや原型すらない「行列のできる相談所」


7年ぶりにテレビを見た私にとって、「今こんなことになってんの!?」の筆頭が「行列」である。私がテレビを見ていた当時は「行列のできる法律相談所」というタイトルであったはずだが、今は「行列のできる相談所」。番組の顔ともいえた弁護士軍団もいない。あなたの真実は?Give me a truth!テンテンテンテンテン、無罪有罪有罪無罪無罪というような、未だに耳に残っているあの音はどれも存在しない。

そもそも「法律相談所」当時だって、尺のほとんどはゲストを招いてのトークバラエティ、終盤に思い出したように法律を扱うというようなものだった。初期の時点ではかなり法律法律していた記憶があるが、何にしても、森羅万象、万物は変化してゆくものだ。Qさまだって完全なるクイズ番組へと変貌した。私はアンタッチャブル柴田が10メートルの飛び込み台から一切怖がることなくプールへと落ちていく姿を未だに覚えている。

行列のできる相談所」は非常にオーソドックスなバラエティ番組となっていて、今回のテーマは「5000円以内で泊まれる宿」。来月あたり、旅に出て美味しいもの食べて温泉なんかに入って最後は路上でくたばろうかと考えている私にとっては有益な内容だと思ったのだが、元純烈の小田井涼平が5000円以内で泊まれる宿紹介の道中に一切れ5万円のシャトーブリアンを食べていて笑ってしまった。そして本番の宿紹介が終わったあと、スタジオにシャトーブリアンが実際に届き、数が限られているので、食べられる人をみんなでジャンケンで決めていた。草笛光子はシードで食べられることが決定していた。オーソドックスなバラエティ番組だなんて嘘、自由奔放、ハチャメチャな番組である。その後、丸山礼が高知県に訪れるVTRに3500円のステーキが登場して、何事にも順番というものがあるだろうと思った。

自分の記憶と今の姿がどれだけ変わっているのだろう、と再生した番組ではあるが、その奔放ぶりに翻弄されそれどころでなかった。しかし、これだけ要素がゴチャついているほうが個人的には好みなんで、めちゃくちゃ楽しませていただきました。これからもできるだけ追っていきたいと思います。

あと、次回予告で白鷗の断髪式をYOSHIKIがやっている映像が流れて、この世にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだなあと思いました。