NHK「星新一ショートショート」が国際エミー賞グランプリを受賞!

2009/12/11 12:21 配信

芸能一般

星新一氏の作品を、気鋭のクリエーターたちが映像化した番組「星新一ショートショート」(C)2009NHK・テレコムスタッフ

テレビ界のアカデミー賞といわれる第37回国際エミー賞の授賞式が11月24日(現地時間11月23日)に行われ、NHK総合で'08年3月〜'09年3月まで放送された番組「星新一ショートショート」がコメディー部門でグランプリを受賞した。

エミー賞とは、世界の優れたテレビ番組に贈られる賞で、全世界の放送業界の中で最も歴史が長く権威のある賞とされている。これまでも日本の番組では「サラリーマンNEO」(NHK総合)や「たけしのコマネチ大学数学科」(フジほか)がノミネートされたが、グランプリの受賞は'99年にドキュメンタリー部門で受賞した「映像90 ふつうのままで」(毎日放送)以来の快挙となる。

「星新一ショートショート」は、短編よりも短い小説の形態“ショートショート”の神様と呼ばれ、生涯で1000編を超える作品を残した作家・星新一氏の作品を、気鋭のクリエーターたちがアニメーションや実写など多彩な手法を用いて3分という短さで映像化した番組。今回は放送済みの77作品の中から、星作品ならではの“知的でクール・陰影ある笑い”をキーワードにえりすぐった9作品を、30分に再構成したものが出品された。

授賞式で登壇したNHKエンタープライズの中西利夫シニア・エグゼクティブ・プロデューサーは「ニューヨークのヒルトンホテルで、コメディー部門最優秀賞の受賞を高らかに告げられた時、受賞が当然のことのように不思議に冷静でした。最終ノミネートされたほかの3作品に比べ『星新一ショートショート』は独創性と今日性、普遍性に富んでいて、作品が醸し出すユーモアは知的でクール。わたしたち番組制作者が目指した“奇妙な味の大人の童話”は必ず高い評価を受けるであろうと自信を持っていたからです」と授賞式の感想を述べた。

また、受賞の喜びについて、「星氏が亡くなったのは'97年で、代表作の多くは'60年代から'70年代にかけて発表されたものです。しかし彼の作品は決して古くない。それどころか非常に新しく、現代を生きる作家のように時代を突いています。若い皆さんにも一度彼の本を読んでほしい。エミー賞を受賞してあらためて星氏と彼の作品の映像化に情熱を懸けた制作者の皆さんにお礼を申し上げます」と星氏への尊敬を込めたコメントを寄せた。

なお、現在再放送中の同番組だが、新作を加えた「星新一ショートショートスペシャル」が'10年1月2日 (土)に放送されるほか、同番組を絵本化した「絵本 星新一ショートショート」(角川書店)が12月26日(土)に発売される。