ナタリー・ポートマンが“純真な白鳥”と“官能的な黒鳥”を体現「ブラック・スワン」ほかアカデミー賞主演女優賞5傑

2023/02/19 11:10 配信

映画 コラム

「ブラック・スワン」でナタリー・ポートマンが主演女優賞を受賞したディズニープラスの「スター」で配信中/(C) 2023 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

2023年の「第95回アカデミー賞」ノミネート作品が発表され、最多11部門にノミネートされた“エブエブ”こと「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」や「トップガン マーヴェリック」などがオスカー候補として話題に。授賞式は3月12日(現地時間)に開催される予定。各賞の行方も気になるところだが、今回はディズニープラスで配信中の女優たちの演技が光る、これまでに「主演女優賞」を受賞した名作を振り返ってみよう。

ナタリー・ポートマンが魔性へと変貌していくプリマドンナに


「アカデミー賞」とは、映画芸術科学アカデミーというアメリカ映画の業界関係者を中心とした団体が主催する映画賞のこと。1929年に第1回が開催され、今年は95回目。基本的に、各回の授賞式の前年に公開された映画が対象。部門別に分かれ、作品やキャスト&スタッフが表彰される。受賞者には「オスカー像」のトロフィーを授与。そのため“オスカー”という名前でも広く知られている。

2023年のアカデミー賞ではミシェル・ヨー(エブエブ)、ケイト・ブランシェット(TAR ター)などがノミネートされている主演女優賞。第83回(2011年)には、日本でもおなじみのナタリー・ポートマンが「ブラック・スワン」で受賞した。

同作は、優等生タイプの主人公が、次第に魔性へと変貌していくプリマドンナの姿を描く心理サスペンス。ナタリーは、純真な白鳥と官能的な黒鳥を演じ分け、人間の明と暗の二面性を見事に体現。「レスラー」でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を獲得したダーレン・アロノフスキー監督の手によって見る者の想像を遥かに超える衝撃的な展開を繰り広げた。主演女優賞の他、作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞の4部門でもノミネートされた。

入念な役作りでメイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞

「タミー・フェイの瞳」は、ディズニープラスの「スター」で配信中(C) 2023 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Finance LLC. All rights reserved.


まだ記憶に新しい第94回(2022年)は、「タミー・フェイの瞳」でジェシカ・チャステインが受賞。同作は1970年代から80年代にかけてテレビ伝道師として活躍したジム・ベイカーとタミー・フェイ夫妻の波瀾万丈な人生を、タミーの視点から描いた伝記もの。

ドキュメンタリー「The Eyes of Tammy Faye」の映画化権を取得したジェシカは製作としても携わるほど、自身が演じたタミーに興味を持ち、役作りもかなり入念に行われた。声色やメイク、しぐさなど、まるでタミーがそこにいるような演技を披露している。そのビジュアルが評価され、メイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞した。