――同期が次々と卒業していく状況を、どのように感じていましたか？
一人ずつ減っていく中で、「もしかして私が最後の一人になるのかも」と思う瞬間はありました。一人になった時の気持ちは全然想像もつかなかったんですが、実際に一人になってみると、後輩たちがすごく助けてくれて、私の寂しさを埋めてくれました。
――キャプテンという立場上、メンバーに甘えることもしにくいのではと想像してしまいます。
確かにあまり弱音を吐かないようにしようとは思っていました。ただ、私は乃木坂46としてのプライドはすごく高いんですが、自分個人のプライドは高くないので、がっつりと全体重をかけて、後輩に頼って甘えていました(笑)。乃木坂46がけなされたりすることはすごく嫌なんですけど、自分が言われることに対してはプライドがあまりないので。
――後輩にイジられるくらいの関係でも、気にならないということでしょうか？
そうですね。むしろその方が壁を感じなくてうれしかったりします。
――キャプテンになる前と後では、アイドル像に違いはありますか？
キャプテンになる前は、全体を見るというよりただただ自分が中心に立ちたい、目立ちたいと思っていました。アイドルとしてはそれも正解だと思うんですが、キャプテンになってからは、私だけを見てほしいとは思わなくなりました。たくさんの魅力的な子たちに囲まれているので、私は一旦置いておいて、その子たちの魅力を引き出したいという気持ちの方が強くなったんです。本当に真逆のアイドル像に変わった感じがします。
――「目立ちたい」「センターで歌いたい」という思いはなくなっていくのでしょうか？
全くなくなりました。本当に「この子を見てほしい」という後輩が多すぎて、その子たちがセンターに立てるように、シングルを出すタイミングをもっと増やしてほしいと思ってしまうくらいでした。自分が真ん中に立ちたいとは全然思わなくなりましたね。
――キャプテンに就任した当初は、前キャプテンである桜井玲香さんの姿を意識されましたか？
玲香がメンバーを引っ張っていく姿はすごく格好良かったので、初めから「それは私にはできない」と思っていて、すぐに「違う道を探そう」と考えました。一年くらいはその道を探し続けていて、自分でも後輩たちに発言するたびに「方向性、合っているのかな」と思ったりもしていましたが、そうしていくうちにだんだんと、がっつり引っ張るというよりも、寄り添いながら進む方向の方が自分に合っているということに気付きました。