昨年春、生討論を主軸とした「生ホンネトークバラエティ」にリニューアルして以来、好評を博している「バイキング」(フジ系)。「この1年でようやく方向性が定まってきた」と言うのは、司会の坂上忍だ。
「キャスト同士の信頼関係も強くなってきて、他局と戦える土壌がやっとできつつあるかな、という感じです。方向転換をした当初は、出演者の皆さんも若干戸惑ってたみたいで、仕方なく僕1人で7分くらいしゃべったこともありました(笑)」
そんな坂上の言動は、今やネットで取り上げられることも度々。先日は、卓球女子の平野美宇選手との勝負に敗れ、負けたら彼女が欲しがっていたカメラを買うという約束を果たすためにスタジオを退出。そのまま放送が終了してしまい、「坂上忍、職場放棄か?」などと話題になった。
「あれは、生放送を滞りなく済ませることと約束を守ることと、どっちが大事かというときに、後者を選んだだけで、決して話題性を狙ったわけじゃないです。ただ、ネットで僕のことを取り上げていただけるのはありがたいなと思ってますよ。…と言いながら、ネットはなるべく見ないようにしてるんですけど。こう見えて僕、意外とメンタルが弱いんで(笑)」
芸能人のスキャンダルから政治のニュースまで、さまざまな事象に対する坂上の“毒舌”も注目の的だ。
「このネタはもっと深く掘り下げるべきだとか、これは掘り過ぎると視聴者と距離ができてしまうなとか、その辺のさじ加減は、どんなネタであれ変わりません。で、スタジオに僕より怒ってそうな人がいたら先に発言してもらって、いないときは僕が率先して怒りをあらわにする、という感じですかね(笑)。ただし、無理やり怒ってみせるようなことは絶対しない。僕自身の常識に照らして『許せない』と思うことに対して、正直に怒りをぶつけてるだけです。とかく“失言”に厳しい今の世の中ですけど、僕としては正直、どんな過激な発言も、本気で吐いた言葉だったら必ず理解してもらえるはずだと甘えてる部分があるんです。とにかくウソだけはつかず、“言い切る”ことが一番大事なんじゃないかと」
あの「笑っていいとも!」('82~'14年フジ系)の後を継いで始まってから早や3年余り。「バイキング」も、目指すは長寿番組?
「番組を長続きさせることは目標ではないですね。それよりも日々の努力を怠らないこと。そうすれば番組のルールもできてくるし、どうしたら番組がより面白くなるかも見えてくるだろうし。その積み重ねの先に、長寿番組というご褒美が待ってるのかもしれないですけど。だいたい、5年、10年のスパンで物事を考えると人間、守りに入っちゃいますからね。3歩踏み込んで言えてたものが2.5歩くらいになっちゃうのは嫌だから、まぁせいぜい1カ月…いや、1週間スパンで頑張ります(笑)」
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