有村架純が、2月23日に都内で開催されたNetflix映画「ちひろさん」の初日舞台あいさつに登場。メガホンをとった今泉力哉監督と共に配信・劇場公開当日を迎えた今の心境や、演じた“ちひろさん”への思いなどを語った。
公開・配信初日を迎え、有村は「本当にあっという間です(笑)。最近撮影した記憶がどんどんよみがえってくるんですけど、ついこの間まで静岡の焼津市でロケしていたよな、風が強かったよな…といろいろ思い出す日でもあるのかなと思いました」と笑顔で心境を。
主人公“ちひろさん”への思いについては「ここまで役に近づかせてもらえない役どころは初めてで、これまでは役に寄っていく、引き寄せるようなアプローチの仕方で撮影させていただいたんですけど、今回は自分が近づくとまた離れて、磁石のようで“くっつけない感覚”は最後まであって。(自分から役への呼び方も)『ちひろ』というより『ちひろさん』がしっくりくるような存在でした」と、独特の距離感があったと明かす。
それを受けて、MCから「でも、もう有村さん以外ちひろさんは違うんじゃないかな?と思う」と言われると、3秒ほど考えた後、有村は「いや…もっと他にいたんじゃないかな?(笑)」といたずらっぽく笑い、横で聞いていた今泉監督も思わず声を出して大笑い。有村は「でも、役目を果たしたかったので、懸命に撮影の日々を過ごしました」と続け、“座長”としてしっかり演じきったことに胸を張った。
そんな有村に対し、今泉監督は「『距離がある』というのは不思議な感覚だし、役者さんにしか分からないことだと思うんですけど、他の作品とそんなに差があったんだ、というのを公開へ向けた取材などで初めて知るぐらい現場では“ちひろさん”としていた気がした」と語る。
続けて「一方で原作の安田(弘之)さんも言ってたんですけど、『漫画のあのキャラクターって存在するのかな?』というところから始まっていて。有村さんがつかめない距離なりに“ちひろさん”を尊いもの、届かないものとして扱ってくれていたからちひろさんになったのかなと。有村さんがつかめなかったということは、他の人が演じていたらもっと堂々としたキャラになっていたのかなとも思います。有村さんのちょっと真面目な部分と、ちひろさんがリンクしていたので有村さんが言うほど遠くないと思っています」と今泉監督から見た有村“ちひろさん”への思いが語られると、有村は「ありがとうございます」と笑顔を浮かべた。