──お話を伺っているだけで雰囲気の良さが伝わってきますが、稽古場はどのような雰囲気ですか?
和田 (食い気味に)殺伐としています!
一同 (笑)。
和田 実際は和気あいあいとしています。シーンを通して稽古することが多いので、皆さんと稽古場で顔を合わせる時間が長くて。舞台上では交わらない人ともお話ししたりしています。
吉田 劇団みたいな雰囲気やね。
和田 ああ、そうですね。
──石丸さんの演出はいかがですか?
廣野 最強です。
吉田 凶悪のほうの“最凶”です(笑)。
一同 (笑)。
廣野 誰よりもパワーがある方です。
蒼木 この間、スケジュールの都合でウィンリィ役の岡部(麟)さんがいらっしゃらなかったので、石丸さんが率先して代役に入られたのですが、非常にかわいらしくて。
廣野 本当にかわいかったです。それくらい、キャラクターを僕ら以上に理解しようとしていて、それを全役やっているわけだから「この人はすごいな」と思いました。
吉田 愛のかたまりみたいな人です。
──「鋼の錬金術師」初の舞台化ですが、舞台ならではの見どころを教えてください。
和田 一番はやっぱり生バンドが入っていることでしょうね。まだバンドメンバーと稽古はご一緒していないんですけど、この間通し稽古を見てくださって。僕らの雰囲気は感じてもらえたかなと思うので、そこを盛り上げるように演奏してくださると思います。
吉田 ライブの音やからね。より人間くさくなるよね。
廣野 演出もマンパワーを活かすところが多くて。“人間力”が舞台上で顕著に出る作品だと思います。実際にみんなで1つの旅をしているような作品なんですよ。これをお客さんに見せたときにどうなるのか。すごく楽しみですね。
眞嶋 この間、通し稽古を洋平さんが一番前のど真ん中の席で見てくださったんですが、「後半にかけてのワクワク感がすごかった」っておっしゃっていて、お客さんも同じ気持ちになって、一緒に楽しめる旅になっているんじゃないかなと思います。
一色 今回は2幕編成。通常の2幕編成の舞台って、1幕は割と説明に使って、2幕でやっとドラマが動くという構造のものが多いと思うのですが、この作品は1幕からフルスロットル。「まだ(台本の)30ページだけどみんな滝汗だね」みたいな状態なので、1幕から面白いと思いますし、あっという間に感じると思います。
廣野 今日のインタビューの雰囲気からもわかるように、石丸さち子さんという愛のかたまりを中心に、本当に愛で動いている座組なんです。こんなに結束力のある座組は初めてかもしれないと思うくらい、みんな素敵な人で。そんな素敵な人たちが作る素敵な舞台だから、本当に皆さんに観てもらいたいです。少しでも気になっている人は、とりあえず観にきてほしい。観に来てくれれば僕らが伝えたいことが全部伝わると思います。とにかく観に来てください!
──原作を知らない方でも楽しめそうですか?
廣野 全然大丈夫です!
眞嶋 ぜひお子さんにも観に来てほしいですね。科学への探究心や、自然を前に「無理かもしれない」と思うことがあっても諦めない、そんな愛と優しさとパワーが詰まった作品なので、大人から子どもまで幅広く楽しめると思います!
■取材・文/小林千絵
撮影/友野雄
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