コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、『女性苦手なアラサーモブ社会人の俺にイケメンすぎる彼女ができました』をピックアップ。
作者は、月刊少年ガンガンで『僕の呪いの吸血姫』(スクウェア・エニックス)を連載している漫画家・金井千咲貴さん。金井さん自身が1月10日に1話を、2月14日に続編となる2話をTwitterに投稿したところ反響を呼び、3.7万以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、金井千咲貴さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。
過去の恋愛経験から女性に苦手意識を持っているアラサー社会人の優。“いつかは好きな人を全力で幸せにしたい”と恋愛を諦めきれず、婚活パーティーに参加し酒の力を借りて女性と喋ろうとするも、先に酔い潰れてしまう。そんな優に、同じパーティーに参加していた容姿端麗でミステリアスな雰囲気の白が声をかける。女性陣からの熱い視線を集める白だったが、2次会には参加せず優を介抱しながらタクシーで送ってくれることに。“イケメン”で親切な白に、優は「現実でこんな人いるんだ…」とつい見惚れてしまう。
次の日の朝、ベッドで目を覚ますと隣に白が眠っていることに驚く優。昨夜の記憶がない中、起き上がった姿を見て初めて白が女性であることに気づく…というストーリー。
ネガティブな性格だが“好きな人に愛情を注ぎたい”と願う優と、ミステリアスで積極的な白の出会いから恋人になるまでが描かれた本作。2月14日に公開された続編では、2人の初デートの様子とともに優が勇気を出して白に想いを伝える姿を描き、話題を集めた。Twitter上では「最高すぎる」「尊いっ!!!!」「ストライクゾーンど真ん中」「白さんがカッコよすぎる…！」「好き」「白ちゃんにメロメロな優さんかわいい」「眩しすぎる」「とても素敵な二人」など多くのコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
――『女性苦手なアラサーモブ社会人の俺にイケメンすぎる彼女が出来ました』はどのようにして生まれた作品ですか？
自分の創作活動を知ってもらうきっかけをつくりたくて、SNS用のオリジナル漫画のアップを考えていました。失恋モチーフのネタと、イケメンな彼女のネタと2つ考えていたのですが、普段描いているテイストに近い、キャラクター主体で見せ場があるイケメンな彼女の制作に着手しました。
――本作をTwitterで公開後、あわせて3.7万以上の「いいね」とともに読者から多くの感想コメントが寄せられ話題を集めています。今回の反響を受けて、金井千咲貴さんの率直なご感想をお聞かせください。
カッコいい女性にぐいぐい迫られてときめく…という憧れに、共感をいただけてうれしかったです。自分の創作活動への自信にも繋がりました。続きを描くつもりがなかったのですが、彼女達の今後も描いてみたいと考えるようになりました。
――積極的で“イケメン”すぎる彼女・白ちゃんと女性苦手でネガティブ思考な社会人の彼氏・優さん、2人のキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか。
今回主体となるイケメンな彼女は、話の展開的に男女どちらでも印象がそこまで変わらないようにしたかったのでなるべく「女性」という点よりも「白ちゃん」という存在に注目してもらえるようにミステリアスさを強調して描きました。
それと、排他的で気に入った人しか傍に置かなそうな子が「絶対この人！」となって恋する組み合わせが好きなので申し訳ないのですが、白ちゃんには婚活パーティーでアプローチされた方全員お断りしてもらいました。優さんは、白ちゃんのイケメンさを際立たせるために、頼りない雰囲気の方が相性がいいなと考えていましたが、白ちゃんが恋するための深みを出したくて、「愛情」を与え続けることにタフな人という強い面も描くように心がけました。
――本作の中で、金井千咲貴さんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか？理由とともにお教えください。
1話目の冒頭、酔い潰れる優さんを白ちゃんが介抱しているシーンです。不格好でも挑戦を諦めない優さんと、周りに流されずにフットワーク軽く行動できる白ちゃん。2人の人間性と関係性が自然と表現できた気がしました。このシーンが決まってから2人に対して愛着が持てるようになったので特に思い入れがあります。
――金井千咲貴さんは本作以外にも、『僕の呪いの吸血姫』(スクウェア・エニックス)や『魔法少年なつき×らびっツ』などファンタジーをモチーフにした恋愛漫画を多く描かれているのが印象的です。金井千咲貴さんが漫画創作全般においてこだわっている点や特に意識していることはありますか？
主人公と一緒に読者さんにも「特別感」を味わってもらえるように意識して制作しています。なので、主人公になる子は特別な力を持っていて、他の登場人物にとっても主人公が特別な存在になっていくストーリーを描くようにしています。
あとは個人的に、誰かを特別扱いして不器用に大事にしようとしている子を描くのが好きなので、体験してもらいたい感情と表現したい感情のちょうど交差点になった「特別」というキーワードを自分なりに表現できたらと常に試行錯誤しています。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
「あの漫画が読めたから今日はいい日だったな」「来週あの漫画が読めるから今日頑張ろう」その連続で私は今まで日々をやり過ごせた気がします。読んでくださる方にとって、そんな漫画を描けるようにこれからも漫画制作を頑張ります！
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