モデル出身“初恋記憶操作男”キム・ヨングァンの繊細な演技に胸キュン<愛だと言って>

2023/03/10 11:10 配信

ドラマ コラム

ドンジンを演じるキム・ヨングァン「愛だと言って」第1週より (C)2023 Disney and its related entities

復讐から始まった、出会ってはいけなかった2人の恋を描く韓国ドラマ「愛だと言って」で、イ・ソンギョンと共に主演を務めているキム・ヨングァンは、韓国で「メロ職人」(ロマンス系の演技が上手い俳優)、「初恋記憶操作男」(ステキすぎて、実際に自分の初恋の相手だったように思わせてしまう男性)、「表情富豪」などと称される俳優。ラブコメを得意とする彼が、今回は笑顔を封印して心に傷を抱える孤独な男を繊細な演技で表現。これまでとは違った角度での“胸キュン”男子を演じている。(以下、一部ネタバレを含みます)

一見リア充、実は心に深い傷を持つ男・ドンジン

「愛だと言って」第2週より(C)2023 Disney and its related entities


「愛だと言って」は、父親を奪った愛人の息子に復讐の為に近づいた女性が、次第に彼に魅かれていき、男性も彼女を愛し始め恋愛関係になっていく、復讐から始まるラブストーリー。ディズニープラス「スター」独占配信中で、毎週水曜に2話ずつ追加され、全16話で構成される。

会社社長のドンジン(キム・ヨングァン)は、高いマンションに住み、一見何不自由無いリア充男。だが実は、会社はライバル会社の妨害に遭って倒産寸前、再婚を繰り返す母親のヒジャとは折り合いが悪く、7年付き合った恋人に残酷なフラレ方をした過去を今でも引きずっている、心が傷だらけの人物だ。

ヒジャはウジュ(イ・ソンギョン)の父親を15年前に奪った女性で、数カ月前に父が亡くなった後、彼が唯一遺してくれたウジュたちの家を勝手に売り、その金でドンジンの会社に投資。それを知ったウジュは、憎い相手の息子であるドンジンに復讐心を燃やして近づく。が、彼はそんな事情を知らないまま彼女に魅かれていく。

ドンジンについてヨングァンは「長い間痛みを解消できずに抱きしめて、我慢しながら生きている孤独な男。心の中に積もった感情があまりにも重くなり、表に出すことができないんです。様々な感情を表す人々の間で、自分を表わす事に欲が無い」と説明。その孤独な内面に、見ているこちらは切なさと同時に愛しさを感じてしまう。

撮影の合間にイ・ソンギョンから逃げ回った

「愛だと言って」第1週より(C)2023 Disney and its related entities


そんなドンジンを演じる為に、以前から仲の良いイ・ソンギョンとは撮影の序盤は距離をとるようにしていたそう。「ソンギョンはあまりにも明るいエネルギーを与える友人なので、僕は静かにしていたいのに追いかけてきて逃げたこともあります(笑)。だから彼女は少し寂しかったかも」と語り、「周りの人を遠ざけているととても寂しかった。ドンジンの大変さを感じ、誰かが自分を守ってほしい、と思った時、欲しい言葉をウジュがくれて、それを聞きながら僕自身も慰められる感じがして、実際に泣きそうになりました」と撮影を振り返った。

外見にも気を遣い、「すり減った靴1つ、スーツは5着ほど。それもグレー1色。だからといって、疲れ果てて見えるんじゃなく、ただ人生において外見が重要じゃない人物を作っていこうとした」んだとか。

「愛だと言って」の一作前の出演ドラマ「サムバディ」では初の悪役、それもサイコパスで視聴者に恐怖を与えていたが、今回はまたガラッと違う、ある意味平凡な人物。気持ちの切り替えが難しかったように思うが、彼は「スイッチを早く変えて2人の人物を行き来しなければ、という強迫観念などはありませんでした。止まって再整備したり、靴紐を結び直す時間を持つより、最初から同じような重さでずっと走ってるというか…。ドンジンは本当に大変な男なんです。その重みは『サムバディ』のユノ(ヨングァンが演じた役名)と同じぐらいだったので、ドンジンが自然に染み込んできたと思います」と話している。