ことしで9回目を迎えるチャリティーコンサート「ジョン・レノン音楽祭2009 Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」が8日、都内で行われ、オノ・ヨーコ、泉谷しげる、奥田民生、吉井和哉、Cocco、浅井健一、BONNIE PINK、ROCK‘A’TRENCH、Leyona、LOVE PSYCHEDELICO、松本素生(GOING UNDER GROUND)、松山ケンイチ、箭内道彦が登場し、夢の競演を果たした。
本イベントは、ジョンの命日である12月8日に'01年から毎年行われている音楽祭。ジョンを敬愛する豪華アーティストが集まり、チケットの売り上げから学校建設資金がチャリティーされる。昨年までに、アジアとアフリカの22カ国で85校の学校の建設支援を達成。ことしからは中南米へも活動を広げ、計7カ国10校の建設支援が決定している。
冒頭、ジョンの生涯やオノ・ヨーコとの出会いを振り返る映像が放送され、会場が静まりかえる中、おもむろに奥田と吉井が登場。2人で「Revolution 9」「#9 Dream」「One After 909」をメドレーで歌い、イベントがスタート。松本、Leyona、LOVE PSYCHEDELICOは情感たっぷりに歌い上げる一方、BONNIE PINKやROCK‘A’TRENCH、浅井はアップテンポの曲をカバーし、会場を熱くした。
松山は「Love」「Imagine」の詞の朗読で登場。「こんな大きな舞台に上がるのは初めてで緊張していますが、すごく意味のある仕事の歯車の1つになれたことがうれしいです」と恥ずかしそうに参加した喜びを語り、会場を見渡しながら1語1語かみしめるように読み上げた。また、俳優の山崎努、山崎直子はナレーションで出演。チャリティーの活動や劣悪な環境で暮らす子供の手紙を紹介した。
3年ぶりに本イベントに参加したCoccoは「3年前、実際にベトナムに建った学校を見に行って、そこに通う子どもたちに“アイ・ラブ・ユー”って言われた。その言葉に、その笑顔にどう向き合えるか考えていたら3年たっちゃった」と振り返り、「と言ってもずっとあの子たちのことを考えていたわけじゃないし。ジョンとヨーコに甘えてる」とチャリティーの難しさを告白。そして、“まずできること”として「Out The Blue」を披露した。一方、奥田はひょうひょうとステージに現れ、「I'm So Tired」を熱唱。2曲目の「Polythene Pam」はジョンの音楽を楽しむように歌い、ステージを後にした。
そんな中、会場を驚かせたのはバーチャル映像での忌野清志郎の復活。これは箭内が映像演出を手掛けたもので、「Imgine」を独自の日本語訳で歌っていた彼の姿が3D映像でステージに現れると観客がどよめいた。まるでその場にいるような感覚を共有し、会場からは“キヨシロー!”との声援や大きな拍手がわき上がった。その後、泉谷は「やっぱり(忌野は)生きてんじゃねぇかよ」と登場。LOVE PSYCHEDELICOのサポートを受けて「Working Class Hero」を熱い日本語詞で歌った。
オノ・ヨーコは終盤に登場。ピースを掲げて踊りながらステージを駆け回り、「Your Hands」など2曲を歌って「みんなでやろう! ピース!」とメッセージを。トリを務めた吉井は「I'm Losing You」など3曲を堂々披露。特に、オリジナルに基づいて日本語詞を作詞した「Yer Blues」では、「どの辺まで聞き取ってもらえるか分かりませんが、聞いてください」と謙虚に前置きしながらも、迫力の声量と力強いメッセージを込めた歌を届けた。
ラストは出演者全員がステージへ。観客全員に配られたライトにより、オノ・ヨーコが考案した光の点滅によるメッセージ「オノコード」を行った。出演者から観客に、観客から出演者に光で「アイ・ラブ・ユー」を送り合い、幻想的な美しさに感嘆の声が上がった。そして出演者全員で「Happy Xmas」などをメドレーで披露。最後にマイクを取ったオノ・ヨーコは、いつも自分がサングラスを掛けているのはジョンがきっかけだったと告白。ジョンの死後、泣き続けてはれた目を隠すため、その直前、一緒に出掛けた先で彼から薦められたサングラスを掛け始めたそうで、それ以来「サングラスを掛けているとジョンと一緒にいる気がする」と、亡夫への変わらぬ愛情を明かした。さらに、「平和を実現する行動は小さなことから始まる」と話し、小さな石でも湖に投げ込むと波紋が広がっていくことに例えて「みんなも小石を投げて。それが世界中に広がる大きな波になるのよ」と熱く呼び掛け、3時間半近くに及ぶイベントは熱狂の余韻を残し、幕を閉じた。
なお、このライブの模様はJCNグループのケーブルテレビにて'10年1月1日(金)に放送される。
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