【漫画】ウルッとした…チョコ選びに悩む男性客と女性店員のストーリーに反響「なんてかわいいお話」

2023/03/18 18:30 配信

芸能一般 インタビュー

悩んでいる様子の男性客に女性店員が声をかけ…稲空穂さんの『バレンタインチョコ売り場の店員さん』が話題(C)稲空穂/実業之日本社

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、妻のためにチョコを選ぶ男性客とデパートの女性店員による心あたたまるエピソードを描いた『バレンタインチョコ売り場の店員さん』をピックアップ。

作者である稲空穂さんが、自身のコミック『特別じゃない日』(実業之日本社)に収録されている本作を2月14日にTwitterに投稿したところ、6.5万以上の「いいね」が寄せられ大きな反響を呼んだ。この記事では、稲空穂さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。

妻へのチョコを決めきれない男性客…その後の意外な展開が話題「なんてかわいいお話」

『特別じゃない日』「バレンタインチョコ売り場の店員さん」より(C)稲空穂/実業之日本社


多くの女性客でにぎわうデパートのバレンタインチョコ売り場。その中に、30分ほど一人で悩み続ける男性客がいた。その姿をレジから眺めていた女性店員がアドバイスしようと近寄り声を掛けると、妻へのチョコを選んでいる、と話す男性。酒が好きだという妻にブランデー入りのチョコを選びつつも、花や動物の形をしたチョコも手に取りながら妻の趣味や好みを次々に明かしていく。男性は「どれを贈っても喜んでくれそうで迷ってしまうね」とうれしそうに笑みを浮かべていた。

家に帰った女性店員が今日の男性客との出来事を母親に話していると、そこに父親が帰宅する。父親の手にはデパートで選んだたくさんのチョコが入った紙袋を持っていて…。

作者である稲空穂さんは、実際にありそうな“日常のささいな出来事”や“小さな幸せ”の物語を優しいイラストとともにハートフルに描き、SNSを中心に人気を集めている。本作では、妻へのチョコ選びで迷っていた男性客が実は女性店員の父親だった、という意外な展開を迎え、3ページの作品ながらも随所に散りばめられた夫婦愛、家族愛を感じるセリフも話題となった。

Twitter上では「なんてかわいいお話」「心あたたまる優しいエピソード」「素敵なお話にウルッとしました」「こういうのいいなぁ」「ほっこり」「心がポカポカしました」「チョコ溶けちゃうくらいあったけぇな〜」「贈り物は相手の事を思って考えて送られた物ならなんだって嬉しい」など多くのコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。

“幸せ”の形をセリフで表現 作者・稲空穂さんが語る創作の背景とこだわり

『特別じゃない日』「バレンタインチョコ売り場の店員さん」より(C)稲空穂/実業之日本社


――『バレンタインチョコ売り場の店員さん』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

この作品自体は数年前に作成したものになるのですが、その当時から「バレンタイン」という行事が「女性が男性にチョコをあげる」という形に縛られなくなったな、と感じていました。バレンタイン=想いを伝えるきっかけの日、というところから作品の構想を考えつきました。

――本作を2月14日にTwitterで公開後、6.5万以上の「いいね」とともに読者から多くの感想コメントが寄せられ話題を集めています。今回の反響を受けて、稲空穂さんの率直なご感想をお聞かせください。

たくさんのご感想をいただき、どれもとても嬉しく拝見しております。いただくご感想の中に、「自分の家族は…」と、ご自身とご家族との思い出を寄せてくださる方もいて、大切な方との時間を思い出すきっかけになれたことが嬉しいです。

――娘が勤務するデパートに父親が客としてチョコを選びにくる、という設定はどのように生み出されたのでしょうか?

バレンタインのチョコ売り場を想像したときに、男性が買いに来た時にはどのチョコを買っていいか悩んでしまうのかな、その場合は店員さんに聞いたりするのかな、と考えた後、その店員さんが身内ならばこれほど心強いことはないのでは、という思いつきでこの設定を考え出しました。

――本作の中で、稲空穂さんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?理由と共にお教えください。

男性が妻とチョコについて語るシーンの「どれを贈っても喜んでくれそうで迷ってしまうね」というセリフです。普段セリフよりも絵で表現することを目標としているのですが、このお話では父と娘の会話を主体としているため、「幸せ」の形をセリフで表現できたのでは、と思っています。

――本作が収録されている『特別じゃない日』(実業之日本社)では、各話で主人公が異なり、それぞれの何気なくも心あたたまる日常が描かれているのが印象的です。『特別じゃない日』に込めたテーマや思いがありましたらお教えください。

「特別じゃない日」は全編どの話でも、特別派手な事件が起きるわけでもなく、大きく感情が揺れ動くシーンもありません。それ故「特別な日」に埋もれがちな「特別じゃない日」ですが、そんな「特別じゃない日」にも、注目してみたらたくさんのうれしい事、幸せなことがあふれているのではないか。それは特定の人だけではなく、どの人にも同様にあるものではないか。そんなことをお伝え出来たらと、題名のまま「特別じゃない日」をテーマとして描いております。