前田佳織里の「キャラ変」を促した、小学校時代の大きな転機――前田佳織里「未完成STARへの道」

2023/03/21 18:00 配信

音楽 アニメ インタビュー

自分のキャラクターを考えていた時期がありました。みんなも一度はそういう時期を歩んでると思いたい(笑)


――子どもの頃を振り返って、自分の好きな部分、あまり認めなくない部分、それぞれなんでしたか?

前田:小学校5年くらいのときに転換期があって。そのときに自分のキャラクターを一気に変えようって思いました。その部分は、今思うと好きにはなれるけど、当時パワフルさ、野生児みたいなところが突出していて、小学校5年くらいのときに、「わたし、けっこうまわりから浮いてるかも?」って思ったことがあって、「ここは直さなくちゃいけないかも」って思うようになりました。

――それは誰かに言われたのではなく、自らの気づきだったんですか。

前田:バスケットボールをやっているときに喧嘩をして、それが言い争いになっちゃって。「わたし、実はどう思われてるのかな」って、改めて自分を客観的に見たことがありました。そのときに、「なんで自分はこうなんだろう?」って自己分析をするようになって。

悔しかったんですよ。言われたことがめちゃめちゃ悔しくて、見返してやりたいなって思ったんです。そのときから勉強も頑張るようになったし、クラスに人気者の女の子がいて、この子とわたしの違いは何なんだろうって、自分に足りないものはどこなんだろうって、観察するようになったんです。正直、憧れもあったんだと思います。自分と真逆の存在だったから、「何が違うのかなあ?」ってずっと考えました。

当時、「BLEACH」のルキアがすごく好きで、あとジャック・スパロウがカッコよくて憧れてたんです。語尾に「おわかり?」ってつけたらカッコいいキャラになれるんじゃないかと思って(笑)、自分のキャラクターを色々と考えていた時期がありました。でも、みんな一度はそういう時期を歩んでると思いたいです(笑)。その頃から、人を観察したり、真似をしてみたり、自分にないものを取り入れる癖が身についていきました。

――自分で急に気づいたのではなく、きっかけになる出来事があって、自分を省みるプロセスを経て変わろうとした、と。

前田:そうです。当時、ノートを作っていて――「自分改造計画」みたいな(笑)。いや、もう今は絶対に見られないですけど。でもそこから、学校の成績もグングン上がり出したのでよかったですし、当時の経験があったから今の自分があるのかなって思います。

――そのキャラクターの変化を言語化するとしたら、野生児的な元気な子が何になったんだと思いますか。

前田:……人?(笑)。野生児から、なんだろう、う~ん、でもまだ何にもなってなかったと思います、そのときは。野生児からメタモン(「ポケモン」のキャラクター)になった感じですかね(笑)。

――その頃、音楽を自分で選んで聴くこともありましたか。

前田:中学生のときだったと思います。

取材・文=清水大輔
写真=北島明(SPUTNIK)
スタイリスト:柏木作夢
ヘアメイク:坂本由梨奈(Leading)

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