須田亜香里「1年に1回でもいいからステージに立てる人でありたい」卒業後初舞台、ポールダンスとアクションで挑む新境地

バレエ経験を生かせる仕事に喜び

ポールダンスで見事な姿を見せる須田亜香里撮影=曽我美芽


──そして、今回はさらにポールダンスにも挑戦されているんですよね。

ポールダンスもいつかやってみたいという憧れがあったので、挑戦できるのが楽しみでした。実際にやってみると、すごく大変ですが面白いです。ダンスは重力を生かすイメージがあるんですが、ポールダンスは重力に逆らう。だから体幹と筋力をすごく使います。ポールダンサーさんってすごいなと改めて思いましたね。美しさの裏で、乗り越えているものの大きさが尋常じゃないんだなって。でもその大変さも楽しさも自分の身で味わえているのが幸せです。

──一つ一つの大変さをすべて「幸せ」「楽しい」と変換できていて素敵ですね。

せっかく親からもらった身なので、どうやってこの身を生かしていくかというのを、ずっと考えているんです。クラシックバレエを18歳で辞めたときに、なかなかに親不孝なことをしたなと思ったので、バレエ経験もすべて生かせるお仕事ができたらいいなとずっと思っていて。SKEのお仕事では生かせていたけど、アイドルじゃなくなった今どうしたらいいのかというのは、自分の中でも悩んでいた。だからこうやって生かせる場所をもらえて、「生きているな」という感じがします。

──そういう意味では、確かにアクションやポールダンスが見せ場の一つでもある今回の作品は、須田さんの身体能力を最大限に生かせそうですね。

はい。ポールダンスの無重力感もそうですし、劇中で特殊能力を使うこともそうですけど、この作品では非日常を見せられる。そういうものを見て、始まった瞬間から終わるまで夢を見ていたような錯覚を与えられたらいいなと思います。そのためにもちゃんとできるようになりたいですし、一瞬でも気を抜いたら怪我をするものなので、常に失敗するイメージをして、悪い意味での慣れが来ないように意識しています。

舞台『Bumblebee7』稽古中の須田亜香里撮影=曽我美芽


ストレス発散の方法は「あったかいご飯を食べる」


──今作は強い女性を描いた作品ですが、須田さんの思う“人としての強さ”はどういったものですか?

自分にも人にも優しい人かなぁ。自然と優しいことができる人。あとはハプニングに動じない人。誰しもアンラッキーなことって起きるじゃないですか。そのときに、アンラッキーを「大丈夫」「なんとかしよう」と思える人には憧れるし、自分もそうありたいなと思いますね。私はアンラッキーなことがあると、あわてたり落ち込んじゃったりしやすいタイプだから。自分の力でハッピーをつかめる人になりたいです。

──世間的なイメージで言うと、須田さんはまさに自分の力でハッピーをつかめる人なんじゃないかなと思います。

そうありたいですけどね。よく「ポジティブだね」「何でそんなにポジティブなの?」と言われますけど、それは私の一面でしかなくて。私にも愚痴を聞いてくれる人がいたりするわけですしね。でも最近は、そうありたいから発散の仕方を探しているところです。

──最近身につけた発散の方法はありますか?

お酒を飲む!(笑)と言いたいところですが、いつもお酒を飲むのも難しいから、その前に試すのは、あったかいご飯を食べること。「忙しいときって温かいご飯を食べていないな」って2年前くらいに気付いて。それからは、忙しいなと思ったら必ず定食を食べるというのを自分の中でルールにしています。それでもダメだったらお酒を飲む!

稽古中には笑顔も撮影=曽我美芽


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