瀬戸利樹“真澄”と中田圭祐“律”が体を重ねたあとの希望に胸が熱くなった<僕らのミクロな終末>

2023/03/20 14:35 配信

ドラマ レビュー

真澄は「奇跡ってあるんだな」と心のなかで噛みしめる


真澄と律はベッドで激しく体を重ね、真澄は10年ぶりだと思えないほどの快感を感じる。「変わんないね、真澄」と律は真澄の体のことも覚えていた。

事後にベッドで真澄と律は裸で抱き合い、静かに見つめ合う。律が最後まで俺と一緒に居てくれてありがとうと言うと、真澄はああと答えて「奇跡ってあるんだな」と心のなかで噛みしめる。

地球に近づく隕石を巨大な遊馬が吹き飛ばしてニッコリと笑う。

翌朝、アラームが鳴り響いていて起きる真澄。5:28、隕石衝突の予定時間だった。「どうなるんだろうな」と真澄は言い、律も「死にたくねーな、全然」と言って2人は見つめ合う。カーテンの外は仄白んでいる。律が開けるよと声をかけ、意を決して2人でカーテンを開けたところでドラマは幕を閉じた。

皮肉にも隕石のために再会することができ、人生に前向きになれた真澄と律。カーテンを開けた外に広がっているのは、きっと明るい未来だろうと思わずにいられない。真澄も律も、そして遊馬もめぐるも、まるで完璧ではない欠点もある人間だけど、共感できて愛おしくなった。終末を描いているにもかかわらず、荒んだ気持ちにさせずに晴れ晴れとした温かみが胸に広がるドラマだった。

「僕らのミクロな終末」最終話より(C)丸木戸マキ/祥伝社 ABC


◆構成・文=牧島史佳