コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は『見えてますよ! 愛沢さん』をピックアップ。
同作は棘尾どろしーさんによって描かれた、幽霊と関わりたくない少女とクラスメイトで元アイドルの幽霊に振り回される様子を描いた作品。棘尾どろしーさんが3月7日にコミックヴァルキリーで連載中の本作・第1話をTwitterへ投稿したところ、4.8万以上のいいねと共に、多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、作者の棘尾どろしーさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを教えてもらった。
昔から幽霊に悩まされてきた少女・黒鳥みちは、自分に影響が及ばないように"見えないフリ"を貫いていた。そんなある日、クラスメイトであり元アイドルの愛沢ほなみが亡くなったことが知らされる。悲しみに満ちる教室だったが、教室には亡くなったはずのほなみが幽霊として現れていた。
自分の姿が誰にも見えていないと思ってやりたい放題のほなみは、クラスメイト全員にファンサをしたり、みちに絡んできたり…。“無視”を決め込むみちだったが、知らず知らずのうちに目で追ってしまったり、アイドル時代のCDを買ってしまったりと、どんどんほなみが頭から離れなくなってしまうのだった。
何事にも消極的なみちが、元アイドルとは思えない幼稚で破天荒な行動ばかり起こすほなみに振り回される様子を描いた本作。読者からは「尊すぎて直視できない…」「ニヤニヤしちゃう」「続きが気になって仕方ない」「至高の百合」「ハマってしまうやつだ…」などという声が寄せられた。
――『見えてますよ! 愛沢さん』を創作したきっかけや理由をお聞かせください。
『見えてますよ! 愛沢さん』は、私が趣味でTwitterなどに投稿していたものを担当編集さんに見つけていただいて、改めてコミックヴァルキリーで連載を始めたものです。趣味でこのお話を描き始めたときは単純に「百合」と「幽霊」をテーマになにか描きたいなと考えて『愛沢さん』を描きはじめました。
――本作では、幽霊に悩まされていつも見えないフリをしている女子高生・黒鳥さんと、クラスメイトで元アイドルの美少女幽霊・愛沢さんの対称的なキャラクターが印象的です。それぞれのキャラクターや設定はどのように生み出されたのでしょうか。
「すごくかわいい幽霊がいるけど無視しなきゃいけない」というシチュエーションを、より面白く見せるために考えたキャラクター造形です。幽霊は無視したい消極的な黒鳥みちちゃんと、無視できない破天荒さとかわいさの愛沢さんという感じで…。そこに加えて愛沢さんがアイドルなのは当初は単純に「かわいい」ということを強調するためでした。あと一応それぞれ元ネタになるキャラクターがいます。
――その元ネタというのはどのようなキャラクターなのでしょうか。
黒鳥さんは色んなホラー漫画のキャラクターの複合体という感じです。愛沢さんについては察している方もいるかもしれませんが、もう少しお話が進めばはっきりわかるかなと思います。
――本作では、幽霊が登場するホラー要素だけでなく、多くのラブコメ要素が詰め込まれている印象です。本作を描くうえでこだわっている点や意識していることがあれば教えてください。
ホラー要素や重い話が出てきても基本的には「ほのぼのした百合」でいられるように、一定のテンションを保つことを意識しています。ですので、重くなった次のシーンではもうギャグをやっていたりします。(いろんな意味で)ドキッとするシーンと、日常の場面の緩急がつけられたらと考えています。
――本作は現在、コミックヴァルキリーで連載中ですが、今後の見どころや注目してほしいポイントについてお聞かせください。
全体を通してでは愛沢さんの死因の謎や、みちとの関係などに注目して欲しいなと思います。近々の展開ではサブキャラクターのお話が出てくると思うので、そちらも楽しんでいただけたらうれしいです。
――棘尾どろしーさんは本作以外にもホラーや百合をテーマにした作品を描いていますが、創作するにあたってどのようなところからテーマの着想を得ているのでしょうか。
私は基本的に「〇〇っぽい見た目だけど本質は違うもの」が描きたいというのが根底にあると思います。パロディーと裏切りがすごく好きなんです。最近の作品は少女漫画っぽいけど、かわいいけど…というところから考えた作品が多いかもしれないです。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます。感想等もしっかり見させていただいています。ちゃんと最後まで描ききれるように頑張りますのでこれからも見守っていただけると幸いです!
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)