上京してオーディションへ。訪れたターニングポイント――前田佳織里「未完成STARへの道」

2023/03/25 18:00 配信

音楽 アニメ インタビュー

どんなに時が経っても「全然まだまだだな」って思う


――声優としてのキャリアを振り返ってみると、オーディションが2016年でデビューが2017年。昨年、2022年でデビュー5周年だったんですね。

前田:あっ、そうかあ。そういう打ち出しは、特にしてないですね。わたしもフワッとしていて。5周年かあ。でも、どんなに時が経っても「全然まだまだだな」って思うので。5年間、長かったような、短かったような気がします。

――これまで、役や作品にその都度一生懸命向き合ってきたのでは、と思うんですけど、全部大事は大前提として、その中でも前田さんの中でターニングポイントになったと感じる作品やキャラクターについて聞きたいです。

前田:まさに全部がそうですけど、時期的に言うと所属して半年で受けたのがまず『ウマ娘』で、人生初のオーディションです。ナイスネイチャ役で合格をいただいて。同時期に『アイカツスターズ!』を受けさせていただいて、そのあとに『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』も受けさせていただいて。事務所に入って半年で、今でもご縁をいただいてる作品が決まった時期がたしかにありました。

――5年間並走する役や作品と、初期から出会えていたわけですね。

前田:ありがたいことです。でも、ターニングポイントになったのは、アフレコ時期でいうと最初の『アイカツスターズ!』だと思います。それが、自分の中で大きかったです。双葉アリアちゃんの役で、事務所の先輩の富田美憂ちゃんが主人公の虹野ゆめちゃん役。わたしは2期からの登場だったので、最初からでき上がっている現場の中に入るのはすごくドキドキしました。今でもその現場の人たちとご縁があって、たとえば日笠陽子さんにはすごくよくしていただいてます。初のレギュラーで、とても温かい現場にいることができてよかったし、そこは自分の中でターニングポイントかなって思います。

やっぱり、自分でオンエアを見たときに、「CV:前田佳織里」ってついた衝撃は一生忘れないと思うし、お子さんのファンが増えて、「双葉アリアちゃんが好きです」って手紙を渡してくれるのも、「声優としての自分にファンが?」というビックリな体験だったので。アリアちゃんは、『アイカツ』を楽しむ心を持っているので、わたしに楽しむ気持ちを教えてくれた子だと思っています。

取材・文=清水大輔
写真=北島明(SPUTNIK)
スタイリスト:柏木作夢
ヘアメイク:坂本由梨奈(Leading)

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