「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」に関して、もう一つ注目してもらいたい部分がある。それは音楽。いろんな国や地域の民族音楽を取り入れ、映像に映し出されるシーンとともに見る者の心にスーッと入ってくるものに仕上がっている。リズミカルだったり、広がりのあるアンビエントだったり、場面にピッタリの音楽もこの作品には欠かせないものとなっている。
「ボイス・ライジング:ミュージック・オブ・ワカンダ・フォーエバー」(ディズニープラスで独占配信中)を見てもらうと、どういう意図で、どういう思いで音楽が作られているのかが分かる。アカデミー賞とグラミー賞のどちらも受賞している作曲家ルドウィグ・ゴランソンの制作現場をライアン・クーグラー監督がしっかりと捉えていて、こちらも一つのドキュメンタリー作品として楽しめる。
本編をすでに見たという人は多いと思うが、映像美、衣装のこだわり、そして音楽など、細部を改めて意識して観てみると、きっと新しい発見があるはず。「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」の濃密な世界を余すところなく味わってもらいたい。
◆文=田中隆信
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