ソロデビュー10周年を記念したベストアルバム「THE BEST and BEYOND」を引っ提げて、約8年ぶりとなるライブツアーを開催した中山優馬。そんな記念すべきアニバーサリーライブの最終日、3月29日に東京・EX THEATER ROPPONGIで行われた昼公演の模様をリポート。
オープニング、1曲目を飾ったのは前回のツアーの本編ラストに歌った中山の作詞曲「In The Name of LOVE」。イントロで披露したピアノ演奏に加え、「君の事、幸せにしてみせる」と力強く歌い上げる中山の美声に、会場中が酔いしれた。曲終わりには、客席を見わたしてニコニコとほほえんでみせる。その優しい笑顔からは、彼がこのライブを心の底から楽しんでいることが伝わってきて、見ているこちらまで温かい気持ちになった。
「今日は最高の思い出にしようぜ!」と中山が叫び、2曲目の「Step!!」へ。ジャニーズJr.を引き連れて、ポップに歌い踊る中山に会場もノリノリに。その後は「Get Up!」「交差点」と懐かしの名曲を披露。さらに磨かれた歌とダンスに初っ端から圧倒されっ放しだ。
ベストアルバムに新録された「Fruit」では、女性ダンサーと絡み合うなど、中山の大人の色気が爆発。ムーディーな照明の中、ささやくように歌う艶っぽい中山の低音に思わずゾクリとさせられる。確かな表現力で、曲ごとに表情を変え、楽曲の世界へといざなう中山。中でも、「水の帰る場所」で圧巻のコンテンポラリーダンスを見せた。2014年のライブで、デビュー前のなにわ男子・藤原丈一郎と見せた世界観を表現。今回は、ジャニーズJr.の小鯛詩恩との驚異のシンクロダンスで、曲の持つ痛みや苦しみ、葛藤を見事に体現した。まるで一本の芝居を見ているような、ドラマチックなパフォーマンス。2人の熱がビシビシと伝わってくる。
続く「Salty Dog」では、ガラリと空気が一変。世界大会で優勝経験を持ち、世界各国で高い評価を得ているHilty & BoschのZINが振り付けを担当した高難易度のロックダンスに挑戦する。中山のダンススキルを存分に堪能できるナンバーだ。
中盤では、タキシードにハット、ステッキを持った中山が、ジャニーズJr.&ダンサーとミュージカルさながらに歌い踊るコーナーも。中山のモチーフでもあるペガサスのぬいぐるみが宙を飛ぶメルヘン&キュートな「おやすみ」まで、勢いよく駆け抜ける。