【漫画】グッとくる…魔法少女に憧れる大人女子に親友が伝えた“意外な言葉”が話題「胸に染みました」

2023/04/08 10:00 配信

芸能一般 インタビュー

魔法少女になりたかった女性の物語…赤井ゆうきさんの『ファンタジースター』が話題画像提供/赤井ゆうきさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、魔法少女に憧れを抱いている大人の女性の物語『ファンタジースター』をピックアップ。

作者の赤井ゆうきさんが3月2日にTwitterに投稿したところ反響を呼び、6300以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、赤井ゆうきさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。

年齢は関係ない…“憧れ”の気持ちを肯定してくれる物語が「素敵な話」と話題

『ファンタジースター』より画像提供/赤井ゆうきさん


アニメのキャラクターである魔法少女“ファンタジースター”に憧れる麻衣は、一人暮らしの27歳。今日も家でアニメ鑑賞をしていると、小学校時代からの親友・日和から電話がかかってくる。日和は、娘の由佳が通う小学校が休校にも関わらず急に仕事が入ったため、麻衣に「由佳を預かってほしい」とお願いする。

快く受け入れた麻衣は、自身の家で由佳と一緒に過ごすことに。部屋にあるグッズでお互いファンタジースターが好きということがわかると、すぐに意気投合する2人。「将来は魔法少女になるんだ!」とうれしそうに話す由佳に、麻衣は思わず過去の自分を重ねる。

2人でアニメを鑑賞し変身ごっこをして過ごす中で、麻衣は今も憧れ続ける魔法少女への思いを再確認していた。そして夕方、由佳を迎えに来た日和に麻衣は思いも寄らない言葉をかけられる…。

魔法少女に憧れる女性が、友人の言葉に自信をもらい前を向く姿を描いた本作。Twitter上では「元気をもらえました」「グッとくる」「素敵なお話し」「胸に染みました」「自然と前を向けるような素晴らしい漫画」などのコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。

心にある“無垢性”をテーマに 作者・赤井ゆうきさんが語る創作の背景とこだわり

『ファンタジースター』より画像提供/赤井ゆうきさん


――『ファンタジースター』を創作したきっかけや理由があればお教え下さい。

最初は暇してる大人の女の子が子供の女の子と一緒にご飯食べたり、散歩したりしてのんびり一日を終える話を描こうとしていたのですが、その日常の中で子供の無垢性が大人を変えることがあったらいいなと思って作り始めました。

――魔法少女に憧れを抱く麻衣と、麻衣を魔法少女のような存在として頼る日和、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?

大人になっても魔法少女ものの女児アニメを観てるというのは大人になり切れてないとかそういうことではなくて、子供のころ好きだったりなりたかったものを現実をわかりながらも大人になっても引き継いでいるのは素敵なことだなと思って麻衣ちゃんを描きました。そしてそうやって引き継いだからこそ、大人になってどんな生き方をしていても麻衣ちゃんが自分にとっての魔法少女であると思い続けて、忘れないでいてくれるキャラがいてくれたら救われるだろうなと思い、日和ちゃんを描きました。

――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

今回の作品は由佳ちゃんが麻衣に影響を与えたのもそうですが、なにより小さい頃の麻衣が現在の日和を救い続けていて、その頃の日和の思いが現在の麻衣を救っているという形になっています。過去から現在の日常の中で無垢性が大人を変えていたということを描いたことがこだわりポイントです。

――本作の中で、赤井ゆうきさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?

最終ページの「私は誰かの魔法少女になれてたらもういいや」というセリフです。私自身、自分が誇れるものは何もないし、なかったと思っていますが、そんな自分でも過去の自分の何気ない生き方が誰かを救っていたならとても嬉しいですし、この作品を含めて過去に描いた作品が誰かの良い時間になってくれたら描いてよかったのと思えるので。

――赤井ゆうきさんは本作以外に『神宮さんは答えを知られたい』(集英社)や『ぼっちの女の子がぼっちの転校生とお昼を食べる話』など学校生活を舞台にした漫画を多く描かれているのも印象的です。その理由とあわせて創作活動全般においてのこだわりがありましたらお教えください。

学生生活を描いているのは、なるべく作品を身近な話として描きたいと思っているからです。現役の人も、学生生活が過ぎ去ってしまった人も、自分はこうだったなぁとかあの子はこうだったなぁとか、まったく関わりがなかったあの子もこんな学生生活を送っていたのかなとか、もしくはこういう子は好きだった、嫌いだった、あの頃は嫌いだったけれどこういう考え方をしていたのなら好きになれたかも...とそんなことをふと思ってくれたら、作品を描いてよかったなと思えるので。

描いた作品のキャラがぼっちだったり、友達が少なかったりするのは、私自身がそうだったのもあって、みんなの記憶にはあまり残ってないかもしれないけど、がんばって学生生活を過ごしていたんだよと言うのを見てもらいたかったのもあるかもしれませんね。

あとはあれです。制服を描くの楽しいので.........。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

いろいろ試行錯誤したり考えたりしながら描いてるので、気長に次作も見てもらえると嬉しいです...! ありがとうございました!