【漫画】わかりみが深い…“ひとり”を愛する人が集まるバーを舞台にした漫画に「ああ、これ私だ」と共感の嵐

2023/04/13 18:00 配信

芸能一般 インタビュー

"ひとり"は劣ってるわけじゃない!中村あいさつさんの『NEWスタンダード-自由への孤独-』が話題画像提供:中村あいさつさん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ひとりを愛する人が集うバーを舞台に描かれた『NEWスタンダード-自由への孤独-』をピックアップ。

作者の中村あいさつさんが3月21日に本作をTwitterに投稿したところ反響を呼び、4.6万以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、中村あいさつさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについてを語ってもらった。

一人を謳歌するのは悪いこと…?適度な距離感がいいと反響

『NEWスタンダード-自由への孤独-』より画像提供:中村あいさつさん


とあるビルにある「Bar ソリチュード」、1回バーに来たお客さんの顔と名前をしっかり覚えていてくれるマスターのもとには、ひとりを愛する人が多く訪れる。お客さんのタイプは、ひとりが好きと言うだけで"こじらせ"ギャルだと決めつけられることに憤りを感じる女性や、小さな悩みは走れば解決するという楽観的な女性など様々だ。

かくいうマスターもひとりを愛するひとりで、バーの名前の由来も英語で孤独を指す「ソリチュード」からとられている。"孤独"と聞くと、暗い言葉を連想するが、ソリチュードには「ひとりでいることの自由さを歓迎する」という肯定的な意味があるようだ。

そんなひとりを愛するバーで会話を楽しんだり、お互いの趣味を共有したりとちょうどいい距離感でのコミュニケーションが続いていく本作。Twitter上では「わかりみが深い」「勇気づけられた」「共感しかない」「ああ、これ私だ」など多くの共感コメントが寄せられ、「続きはどこ?」「続編待ってます」など、今後の展開を期待する声も多く上がっていた。

「一人を楽しむことと"孤独"のイメージが違うと感じていた時に出会った言葉が"ソリチュード"」作者・中村あいさつさんが語る創作の裏側とこだわり

『NEWスタンダード-自由への孤独-』より画像提供:中村あいさつさん


――『NEWスタンダード-自由への孤独-』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

恋人やパートナーがいないことや独身でいることが、そうでない人より劣っているかのように扱われることに違和感がありました。「一人より二人がいいよね」といった言葉を今までいろんなところで聞いてきたのですが、私は二人も楽しいし三人も楽しいし、そして一人の時間も本当に楽しいので、「一人より二人がいいよね」ではなく「二人もいいし一人もいいよね」という気持ちを明るく共有・共感できたらいいなと思って作り始めました。

また、そこから発展して、パートナーがいても一人の時間が必要な方もいらっしゃると思い、パートナーのいるいないや結婚未婚関係なく「ひとりの時間を大切したい人たちがいる」ということが伝わればいいなと感じて制作しました。

――本作を描くうえでこだわった点や、特に気に入っているシーンがあれば理由とともにお聞かせください。

主人公を一人立てるのではなく複数のキャラクターを同じ立ち位置で描くことが、今回挑戦したいことの一つでした。「ひとりでいることが好き」ということを取り上げるときに、一人のキャラクターの考え方や生き方を「その子の特有の特別なもの」として描きたくなかったからです。いろいろなひとり時間、いろいろな考え方、いろいろな気持ちを描きたいなと思いました。

気に入ってるところは…シーンではありませんが、各キャラクターの表紙はとても楽しく描けました。紙に印刷して切ると着せ替え人形として遊ぶことができます!懐かしの遊びです!

――本作では、”ひとり”を愛する人が集まるバーを舞台に、考えや生き様が異なる登場人物が集まって各々の時間を楽しんでいる様子が描かれています。それぞれのキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか。なにかモチーフなどがあるのでしょうか。

「どんなひとり時間の過ごし方があるかな?どんな理由でひとりが好きな人がいるかな?」ということを取っ掛かりにキャラクターたちのことを考えていきました。

――本作では、一人や孤独を肯定的な意味で捉える「ソリチュード」をテーマとしていますが、中村あいさつさん自身は「ソリチュード」に近い考えをお持ちなのでしょうか。

私は一人で過ごすことが好きで、でも人といるのも好きで、でも一人の時間が結構いっぱい確保できないとつらくなる…!という感じです。”この感じ”が「孤独」「孤高」などの言葉が今持っているイメージとはちょっと違うんだよなあ…と思っていた時に、”この感じ”をバシッと言い当ててくれる言葉がないのかな?と調べたところ「ソリチュード」という言葉と出会いました。言葉があるってことは同じ気持ちの人が多くいるってことだ!と嬉しくなりました。言葉ってすごいですよね、大好きです。

――中村あいさつさんはこれまでラブコメ系からダーク系まで幅広い作品を創作されていますが、創作全般においてのこだわりや意識していることがあればお聞かせください。

身体と心の健康を第一に仕事に取り組んでいます。が…そういう質問ではないですよね(笑)

うーん…、私は子供のころから漫画を読むのが好きだったのですが、友人や家族にわかってもらえないことも漫画がわかってくれることがありました。私の気持ちを代弁してくれたり、言語化してくれたり、共感してくれたり、味方になってくれたりしました。自分がされて嬉しかったことを、自分も次に繋げられたいいなと思ったりしています。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

この度は『NEWスタンダード-自由への孤独-』を読んでくださりありがとうございました。以前から追いかけてくださっている方もいつもありがとうございます。友達の話を聞くみたいに『NEWスタンダード-自由への孤独-』のみんなを見てもらえたら嬉しいです!みなさまの生活の小さな彩りになれますと幸いですっ!!