芳根京子、常に“フルスイングの演技”で人々の心をつかんで離さない芝居の申し子

2023/04/12 06:10 配信

ドラマ 映画 コラム

芳根京子の軌跡を紹介する※2021年ザテレビジョン撮影

2023年に俳優デビュー10周年を迎える芳根京子が、4月12日(水)にスタートするドラマ「それってパクリじゃないですか?」(毎週水曜夜10:00-11:00、日本テレビ系)で主演を務める。芳根が民放キー局制作の連続ドラマで主演するのは、初の“月9”主演作「海月姫」(2018年、フジテレビ系)以来5年ぶり。今回は仲間の汗と涙の結晶を守る、笑って胸が熱くなる知的財産エンタメドラマでお人よしの新米社員・亜季を演じる。「記憶屋 あなたを忘れない」で共演したHey! Say! JUMP・山田涼介いわく「化け物の類」、「ファーストラヴ」でタッグを組んだ名匠・堤幸彦をして「涙の魔術師」といわしめるなど、“芝居の申し子”として確固たる地位を築く芳根。そういった演技はもちろんのこと、新ドラマの記者会見で、エピソードを一つでも多くひねり出そうとして「もう頑張り過ぎや!芳根ちゃんばっかりやん。ごめん!」と共演のジャニーズWEST・重岡大毅を恐縮させるなど、どんな場面でも“フルスイング”なのが彼女の魅力の一つ。本編でもフルスイングの演技でスカッと視聴者の心を晴れやかにしてくれるようなホームランを打ってくれるだろう。そこで、新ドラマが始まる前に、あらためて芳根の軌跡を紹介する。

「ラスト・シンデレラ」で俳優デビュー


1997年2月28日生まれ、東京都出身の芳根は高校時代にスカウトされ、芸能界入り。「ラスト・シンデレラ」(2013年、フジテレビ系)で俳優デビューを飾った。同作では事務所の先輩であり、憧れの存在の篠原涼子演じる主人公・桜の親友・美樹(大塚寧々)の娘役だった。

その後いくつかのドラマ出演を経て、連続テレビ小説「花子とアン」(2014年、NHK総合ほか)で朝ドラ初出演、2014年には「物置のピアノ」で映画初出演にして初主演を果たす。徐々に知名度を上げていき、ブレークの大きなきっかけとなったのは、2015年7月期に放送された“オモコー”こと連ドラ初主演作の「表参道高校合唱部!」(2015年、TBS系)だろう。

芳根京子※2019年ザテレビジョン撮影

ターニングポイントの一つ「表参道高校合唱部!」


1000人以上の参加者の中からオーディションで選ばれ、合唱が大好きで天真らんまんなヒロイン・香川真琴を演じ、多くのドラマファンをとりこにした。フレッシュでみずみずしい演技もさることながら、彼女の歌声もまた魅力的。小・中学生時代に吹奏楽部でフルートをやっていたり、ピアノの経験もあったりで音楽の下地があるからこそ、リズム感も良い。個人的には第2話で高杉真宙演じる引きこもりの同級生・宮崎祐の家の外で“10秒ジャンプ”の後に「翼をください」を歌いだすシーンが、特に印象深い。どこの天然水だ、と言わんばかりの清涼感。本作の演技が評価され「第1回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」新人賞や「第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」の主演女優賞と特別賞(合唱&選曲)を受賞した。

そんな彼女の演技力について語られる時、度々話題に上がるのが“オーディション荒らし”の件。「同じオーディションに芳根さんがいると全部持っていかれる」というライバル陣営の悲鳴、うわさがまことしやかに囁かれていたそうだが、本人的には「結構落ちている」とのこと。むしろ一時期は落ちまくってマネジャーにも「やる気あるのか」と怒られ、「今、おまえが事務所を辞めても、事務所にとって得も損も何もない」と言われたことで「だったら事務所が辞めたら困るくらい大きくなってから辞めてやる」と憤り、負けず嫌い精神が原動力になったこともあった。

ちなみに朝ドラのヒロインオーディションは「とと姉ちゃん」など3度落ちて、4度目の正直で「べっぴんさん」(2016-2017年、NHK総合ほか)に合格し、ヒロインの座をつかんでいる。

芳根京子※2021年ザテレビジョン撮影

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