瀬戸康史“ジン”&上野樹里“優美”が織り成す世界を癒やす優しい愛の物語<私小説-発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由->

2023/04/07 17:00 配信

ドラマ レビュー

「スペシャルドラマ 私小説 -発達障がいのボクが純愛小説家になれた理由-」前編より(C)テレビ朝日

互いを思い合うジンと優美の絆


瀬戸演じるジンは生きづらい生活を送っている。人の悪意はどこにでも存在しているし、それにジンは耐え切れないのだ。大好きな優美と楽しくお茶をしていたのに、あることをきっかけでパニックになってしまい、帰らざるを得ないことに。

それまでは、にこにこと笑うジンの笑顔がかわいくて、きゅんとしていたのに、一瞬で悲しい顔を浮かべるジンに胸がぎゅーと締め付けられる。その場から動くことさえできなくなってしまったジンを救うのはいつも優美だった。

「本当はここに行きたい」などの気持ちは人間誰しもあるんだろうが、優美はジンの体調、気持ち、そしてジンのためにそれらよりもジンを優先する。でも、それは同情ではなく、心からそうしたいと思っているので、ジンも大きな罪悪感を抱くことがなかったんだろうなと思えた。

一方で、「優美は僕のせいでどこへも行けない」というどうしても消えない思いがあったし、ジンは優美のために何かしたいと常に優美のことを思っていた。そんなある日、フランスの出版社からジンに講演会と取材の依頼が入る。

最初は心がざわざわし、息苦しさを覚えていた様子のジンだったが、優美がすてきだと言っていたフランスの名所モン・サン・ミッシェルを見せてあげる機会と考え、承諾することに。ジンにとって一苦労の旅行だが、「優美とフランスへ行きたい」とさまざまな準備を始めていく。

二人は無事にフランスに行くことができるのか、その結果を楽しみにしながら、まずは前編を見て、二人が織り成す優しい物語に触れ、優しい世界に癒やされてほしい。

文=くまこでたまこ