――今お話にあったBEYOOOOONDSの軌跡、寸劇について。デビュー曲「眼鏡の男の子」からですが、当時、寸劇を入れることにどう思っていましたか? 今であれば、あれはハロプロらしさのためではないと分かりますが、当時は衝撃もあり、ハロプロらしさを無理に出そうとせずにいいのに。ハロプロの面白さってそこじゃないんだよ、という気持ちを覚えました。
高瀬:同じ気持ちの方はだいぶ多かったと思います。今だからこそ言えますけど、私たちも疑問符だらけでしたもん。
一岡:どうして寸劇をやるんだろう?って。
平井:なんだ? 全然曲始まらないぞ、みたいなね(笑)。
高瀬:そういうのは正直私たちにもありましたけど、デビュー時だから、BEYOOOOONDSの形がまだ誰も見えていないんです。だからとにかく全力でやるしかないし、今はこれを頑張るしかないという気持ちでいっぱいでした。
平井:「眼鏡の男の子」が披露されたとき、私は追加メンバーのオーディション中だったんですよ。そこであれを観たから、「おおお!!! どうなるんだこれ!?」って。斬新すぎてびっくりしました。「一芸に秀でた」というお題のオーディションで、CHICA#TETSUが身体能力のパフォーマンス集団、雨ノ森 川海が小劇団というコンセプトだったんですよね。「どちらにも当てはまる余地あります。自分!」みたいな頑張り方を考えていたら、それが1つになってパフォーマンスしているじゃないですか。これはどういう世界になるんだろう?って。私は宝塚を目指していた時期もあったのでさすがに戸惑いましたけど、今となっては本当にBEYOOOOONDSで良かったなと思うし、BEYOOOOONDSという世界に寸劇は絶対必要だと思っています。
高瀬:全部生かせるもんね。やってきたことが。
一岡:今はもう、やっていて楽しいです。
――寸劇をやること、BEYOOOOONDSであることに自信を持てた瞬間はいつですか?
一岡:私は「眼鏡の男の子」でメジャーデビューした2019年の1stライブのときですね。パフォーマンスを面白いと言ってくれた方が多くいたし、その前のMVで、これでハロプロに興味を持ったという感想もたくさん届いていたんです。BEYOOOOONDSはすごいグループになるぞって思いました。
平井:私も1stライブです。「眼鏡の男の子」のアナザーストーリー的な曲があるんですよ。その「眼鏡」シリーズを1つのミュージカルみたいにつなげたブロックがあって、これは本当に私たちにしかできない。自分たちの形が見えたような瞬間でした。
高瀬:私は日本レコード大賞最優秀新人賞の受賞(2019年)ですね。やっぱり賞を頂けたというのは頑張りを認めてもらえた分かりやすい事実で、自分たちが肯定された気がしました。
――今回のシングルにちなみ、グループまたは個人として求めるもの、夢を教えてください。
高瀬:忘れかけている人もいそうですけど、BEYOOOOONDSには「既存の枠をビヨーンと超えて」という意味が込められています。私は声優のお仕事をさせていただいている関係で、既存の枠を超えることで得られるものの大きさをものすごく実感しています。BEYOOOOONDSはこんなにも才能あふれる子の集まりなんだから、もっと色々なところに羽ばたいていってほしいし、そこで全員が成長して何かを持ち帰ってきて、BEYOOOOONDSをもっと強いグループにしてほしい。私の願いであって、野望です。
平井:BEYOOOOONDSってスタッフも含めて絶妙なバランスで成り立っているグループだと思います。だからこそ1つのジャンルとして出来上がっていて、真似できないものが作れています。このグループでもっと大きなことをしたいし、一足飛びにはいかないけど、武道館2Days、代々木第一体育館とかにも目を向けていきたいです。
一岡:くるみも言ったように、メンバー1人1人の趣味や特技がちゃんとあるので、それが活動につながっていくようにしたいですね。個人のInstagramも始まって、自分の良さ、自分の売り出し方を分かっているメンバーが多いからこそ、スタッフだけに頼らずに、私たち自身の力でいろいろ発信して、BEYOOOOONDSを“ハロー!プロジェクトの”と付けなくても伝わるようなグループにしていきたいです。
■取材・文:鈴木康道
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)