コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、真面目な大学生がバイト先の先輩のギャップのある姿に惹かれていく漫画『園田さん』をピックアップ。
作者である山本広大さんが3月17日に本作をTwitterに投稿したところ、1.3万以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、山本広大さんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。
コンビニでのアルバイト初日を迎えた大学生の羽柴。ふと、先にレジに立つ先輩・園田さんを見かけ、その気だるげな表情から「何か暗い雰囲気の人だな…」という印象を抱く。
しかし次の瞬間、来客にはじける笑顔で明るく対応し、バイト仲間とも上手くコミュニケーションをとる園田さん。そんな快活な姿に圧倒された羽柴は、その後も見た目とは裏腹に乙女な表情や“ちょいワル”な一面を見せる園田さんから目が離せなくなってしまい…。
これまで真面目に生きてきた大学生の羽柴が、気だるげな雰囲気なのにギャップ満載の園田さんに思わず惹かれてしまう様子が描かれた本作。Twitter上では「惚れてまうやろー!」「刺さる!」「めっちゃ好き」「最高です」「性癖が歪む音が聞こえた」「こんなの好きになっちゃう」などのコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
――『園田さん』を創作したきっかけや理由があればお教え下さい。
まずTwitterで一次創作で評価を得るには、恋愛漫画が効率的だと考え、ギャップのあるキャラクターがウケやすいのでそこを基盤として、キャラクターやストーリーをそこに乗っけるようにして創作しました。きっかけが一次創作で評価を得るため、理由が一次創作を始めてからこういうキャラクターがウケやすいと理解し始めてこのキャラクターを選んだ、になります。
――気だるげで“暗い”雰囲気なのに実は快活で乙女な一面を見せる園田さんと、そんな園田さんのギャップに惹かれていく羽柴くん、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?
いままで色々な創作をしてきて、自分の好きな分野がダウナー系だというのがなんとなく分かってきて、ダウナー系のお姉さんを下地にそこにギャップを加え快活なキャラ、乙女な一面、というのを加えました。羽柴君はそんなダウナー系が好きな自分を投影して配置された男の子になります。
――本作の中で、特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?
一番自分にとって印象的なシーンを最後の決めゴマに持ってくるというスタイルで創作していますので、『園田さん』で言うと「こんな大人になるなよ」になります。なにやってんだろう自分って気持ちが伝わってきて得も言われぬ気持ちになります。
――山本広大さんの作品は、本作以外にも『野井さん』や『浅沼さん』など様々なタイプの女の子を主人公として描く“○○さん”シリーズが印象的です。山本さんが“○○さん”シリーズに込めたテーマや「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
いろいろなキャラクターを描けることは漫画家にとって大きな強みになります。いずれは商業作家として連載したいと考えていますので、その為の数ある道の一歩として”〇〇さん”シリーズを作成しております。
見てほしいところは、この子たちはこの世に生きているんだ、生きて地面に立っているんだと思って作っていますので、そのリアルな質感、空気感を感じながら読んでいただけたら成功したなと感じます。
―― “○○さん”シリーズをはじめとして、山本広大さんが描くキャラクターは表情がとても豊かで、シーンごとの感情が繊細に表現されていてとても魅力的です。作画の際に特にこだわっている点や、意識している点はありますか?
表情はかなり大事にして作画しています。自分が漫画を読むときも、表情が好きな作品を重点的に好みとして読んでいます。その時の感情が伝わらないと、汚い言葉で言うとゴミ、綺麗な言葉で言うとその漫画を描いてる意味がないと思って作画しています。コマの形や位置、その中の背景や人物の位置、仕草や形、吹き出しも文字も全部感情を伝えるための意味のあるものと思ってそこに描いてあります。
表情だけの話で言うと、眉毛の形や位置、髪の毛が目に掛かってる掛かってない、風に揺れている揺れていない、描き込む描き込まない、目は潤いを帯びているのか乾いているのか、まつ毛は跳ねているのか伏しているのか、口は小さい大きい?波線のみで表現するならその波の数は感情に対していくつになるのかとか考えています。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
自分の腕がまだ未熟で、自分の言いたいことが伝わってない作品が多々あるかと思います。一次創作を始めてから、そこが今メキメキと上達していることがわかります。
おもしろい作品を描いていきますので、あ、こいつまた何か描いてるな、くらいの気持ちであたたかく見守っていただけたら幸いです。いつも読んでいただきありがとうございます。
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