強烈に男くさい趣味と女らしさについて／夜道 雪のBlowin' the Night wind！#11「Hobby is Life」

声優、YouTuber、モデル、コスプレイヤー、そして2022年7月からは自身名義での音楽活動も。「マルチタレント」を掲げ、さまざまなジャンルで活躍する夜道雪(よみちゆき)のコラム連載、「夜道 雪のBlowin' the Night wind！(夜風に吹かれて！)」がスタート！ 地元・北海道から上京し、現在の「表現者・夜道雪」が生まれるまでの道のりを、「夜道節」で綴っていきます。

男くさい趣味は…かっこいいものへの憧れ

私の趣味。バイク、車、キャンプ、釣り、パチスロ、ラーメン・カレー屋巡り、ゲーム。
あげていくと、どうも強烈に男臭いのだ。
昨今、女らしさ男らしさといった話題はセンシティブだとは思うものの、あるがままの私を述べる上では避けるのもおかしい気がする。だから「あえて」話すのでもなく、ただの事実としてお楽しみ頂けたら嬉しい。

男の影響か？と囁かれる事もあるのだが恋人はいないし、これまで男性に何かの影響を受けた事もない。
物心ついた頃にはスピードの出る速いものや、かっこいいものへの憧れがあった。

そして性格も男らしいと言われる事が多い。
おそらく、並大抵の事には物怖じしないし、割り切りの良い性格をしているからきっぷがよく思われるのだと想像している。

周りからは男らしいと言われる私だが、特に意識してそうしているわけではない。
どうかご理解頂きたいのだが、ここから述べる「女っぽい部分」は、それが私にとって、女を女たらしめるものと決めつけている訳では無い。

まず見た目は、一般に言われる「女」に分類されると思うし、ふりふりの衣装やスカートが大好きだし、メイクもするし、甘いパンケーキもパフェもマカロンもだーいすきなのだ。いまだに床に就く際はぬいぐるみのパンダちゃんを手放せない。時にはマリリンモンローになった気分を味わう為、裸体に安物の香水をシャワーを浴びるが如く振りかけるくらいには、私は「女」なのだ。(書いてて気づいたが私が思う女の認識もかなりズレている…)

とにかく私は女としてこの世に生を受け、23年間、心身ともに女として生きてきた。
でもどうしてここまで女の私が、俗にいう男らしい性格になったのか、少し考えてみた。

見た目は女、中身は男らしいというギャップは…家族の影響

私には10歳の離れた兄がいる。
年が離れてる影響か、兄妹喧嘩は一切なかった。
歳の近い兄妹だと、どちらかがゲームで負けた時なんかは悔しくて煮えたぎるような思いをするはずだが私の場合はそうではなく。
あまりにも年が離れている為、何事も兄には負けて当然なので競争心など少しも生まれず「お兄ちゃんのようにゲームが上手になりたい！お兄ちゃんのようにはやく自転車に乗れるようになりたい！お兄ちゃんみたいになりたい！」と尊敬の目で見ていた。
純粋な憧れの気持ちがあいまって兄の趣味嗜好の影響を100%、いや120%受けたと思う。

そして思い返せば両親が「らしさ」の押し付けをしてくる事がなかったように思う。
例えば「女の子なのだから家事を手伝いなさい」とかは言われなかったし、"忍者"になりたいという私の夢も否定しなかった。男の子のように髪が短く日焼けして真っ黒な時期もあったが「可愛い」といって育ててくれた。
男らしさ、女らしさの線引きが特になく育ったからどんな趣味でも興味を持てば気軽に手を出せてしまうしそこに対する偏見の目などまるきり気にしないので深くのめり込んでしまう。

見た目は女そのものなのに、中身は男らしいというギャップはこうして作り上げられたのだと思う。

男女問わずに楽しいものは楽しい

さて、そこで私は考えたのだ。
私の大好きな車、バイク、キャンプ、釣り、パチスロ、これらの趣味達は、一般的には男性の趣味だからと興味を持てない女性層が一定数いるのではないかと思った。

特にバイクはいい例だ。

私が街中でブルターレ(MVアグスタというメーカーのバイク)など乗り回そうものなら、駐車場や信号待ちで「女の子がそんなでっかいの乗ってたら危ないよー！」としょっちゅう声をかけられるのだ。

私は、"いやいや男の人でも危ないですよー！"と心の中では思いながら「エヘヘ、ですよねー！ァざーす！」とへらへらしておく。
そう言われるのは私がすこし特殊なバイクに乗っている事や、小柄な体型なのも勿論あるのだろうが、間違いなくバイクは男女問わず危ないのだ。

と同時に、男女問わず楽しいのだ！
この楽しさは乗らないとわからない。
だから乗ってみてほしい。その手前の壁は少なくしたい。

近年では女性ライダーも増えている。先に述べた、親切？故の疎外感のようなものが薄れつつあるようだ。
しかしながら"バイクは男の乗り物"という古い認識が、残念ながらごく一部には今だに根強く存在する。
それは身をもって経験してきた事だ。

私自身、バイクは勿論危険もあるが、それ以上に最高に楽しい乗り物だから6年間走り続けているいうことをこれからも伝えていきたい。

私は微力ながら、これからもバイクの楽しさを広めていく。そしてこの活動の中で、力が強くないし不安だなぁとか、男が乗るもの、という思い込み等々で、バイクへの興味がくすぶっている方の、燃焼のきっかけになれたら嬉しいななんて考えている。

さて、そろそろぬいぐるみのパンダちゃんと寝る時間。お前ら早く寝ろよ！夜道雪でした。