今作のプロットを読ませていただいた時、これは自分がいま向きあうべき作品で「出逢ってしまった」と感じました。
登場人物はみな、どこか全員加害者であり、被害者でもある。黒いものを抱えていて、消化できずにいる、でもそれが、この作品での日常生活。
わたしは、「タイトル、拒絶」(2021年)がすごく好きで、お人柄もすてきな山田佳奈さんとご一緒できるのが、心からうれしいです。そして、おもしろい役者さんがそろいぶみで、これはきっと役者としてギリギリな精神状態になるんだろうな(笑)、そして、ギリギリであればあるほど、今作は映えるんだろうなーなどと思いつつ…。
わたし自身、すごく楽しみにしております。
劇団での新作公演として、何を上演すべきか。時代が新しく移り変わっていくなかで、作家としての意識や生活の優先順位も変わりつつある現在、ずっとあたためていた題材である「剥製師」の物語を描こうと思いました。
生きていく上で何を指針としたら良いのだろうと、変化している部分とゆずれないもの。
それは死後の動物の皮をはぎ、生命を吹きこみ直す職業が置かれている状況とも、少なからず遠くない気がしていて、どういう手ぐせで物語に息を吹きこむか、明確に定まってないところもありますが、わたしなりに考えて、挑んでみたいと思います。
また、さとうほなみさんをはじめ、魅力的な俳優陣に集っていただくことができました。月並みな言葉になってしまいますが、どのような化学反応が起きるのか。楽しみでなりません。
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