【漫画】“無表情”なトカゲと暮らす青年…不器用ながらも互いを思いやる優しい日常に反響「心が洗われる」

2023/04/17 18:30 配信

芸能一般 インタビュー

同居人の表情が読めない…井々エビ出汁さんの『家庭的なトカゲと日常を過ごす話』が話題画像提供/井々エビ出汁さん

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、作者・井々エビ出汁さんの『家庭的なトカゲと日常を過ごす話』をピックアップ。

トカゲの獣人と青年、同居する二人のある日の出来事を描いた本作。井々エビ出汁さんが3月18日に自身のTwitterに投稿したところ、その優しいイラストと心温まるストーリーに2.9万以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、井々エビ出汁さんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

表情を読むのは難しくても…互いを思いやる二人の行動が「尊い」と話題

『家庭的なトカゲと日常を過ごす話』より画像提供/井々エビ出汁さん


社会人であるリトは、同居しているトカゲのトシヤにいつも身の回りの世話をしてもらっていた。朝早くから朝食を作り、仕事の日にはお弁当も用意してくれるトシヤに感謝しつつも、リトは気を遣って「いつもじゃなくていいよ」と告げる。すると、その言葉に俯き考え込む様子のトシヤ。焦ったリトは、お弁当を持っていくと伝えるも、トカゲの見た目をしているトシヤの表情が読めないことが気になっていた。

職場での昼食時、余計な一言でトシヤの機嫌を損ねたのではと悩むリト。モヤモヤした気分の中、トシヤが作ってくれたお弁当を開くと全部自分の好きなおかずであるのを見て、いつも自分のことを一番に考えてくれていることをあらためて実感し、嬉しくなる。

そんなトシヤに「なにかお礼をしたい」と考えたリトは、あるプレゼントを準備して自宅でトシヤの帰りを待つことに。そして、帰宅したトシヤに早速プレゼントを渡すと、意外な反応が返ってきて…。

いつも身の回りのことをしてくれるトカゲのトシヤに、自分ができることで感謝を伝えたいと考えるリト、二人の思いやりあふれる優しい日常が話題を集めている本作。Twitter上では「心が洗われる」「これは最高」「尊い」「トキメキすぎて死ぬ」「永遠と推す」「言葉に出して伝えるって大事だな、人もトカゲも」「イケメンなトカゲさんにタートルネックは最強の組み合わせすぎる」などのコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。

「読者の方にそっと寄り添える作品を」作者・井々エビ出汁さんが語る創作背景とこだわり

『家庭的なトカゲと日常を過ごす話』より画像提供/井々エビ出汁さん


――『家庭的なトカゲと日常を過ごす話』を創作したきっかけや理由があればお教え下さい。

きっかけは動物園で見かけたミドリホソオオトカゲです。その子がとてもキレイで、それでいてちょっとお茶目な感じがあって…その時の感動と言いますか、何か形にしたいという衝動に駆られ、トカゲの獣人のトシヤの絵を描いてみた、という感じです。

――青年・リトと同居する“家庭的”なトカゲのトシヤ、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?

トカゲは表情が読みにくいイメージがあったのですが、その第一印象で抱いたイメージとは逆の性質があったらどうだろうという考えから生まれました。

一方でリトは、トシヤとの関係性を重視して考えました。それぞれの凸凹を埋めるような、トシヤが出来無いことをリトは出来るといったバランスです。

――本作の中で特に思い入れのあるシーンやセリフはありますか?

「今…とても嬉しく思っています」とトシヤが伝えるシーンは、とにかくトシヤが魅力的に描けるよう特に気をつけていたので、思い入れがあります。

――本作では、“表情の読めない”トシヤとは対照的に感情表現豊かなリトなど、繊細な人物描写にくわえて優しい色合いの着彩も印象的でした。創作活動全般において、井々エビ出汁さんが作画の際にこだわっている点や特に意識している点があればお教えください。

線に柔らかさと言いますか、ほっこり感が出せたらなということを意識しています。あとは、モチーフにした生き物の魅力が読者の方にも伝わるように気をつけています。「エビ出汁はトカゲのここが好きなんだな〜」と思ってもらえたら嬉しいです。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

いつも見てくださりありがとうございます!これからも読者の方にそっと寄り添えたり、ほっと息抜きができるような作品を作っていけたらなと思います。