勝地涼「僕と同じような役者は他にいない」パブリックイメージ裏切る作品で挑む、主演の責任

主演にしか見えない景色がある

勝地涼撮影=友野雄


――本作の情報解禁時、「今まで自分は3、4番手とかが多い役者人生でしたが、やはり主演をやりたい」とInstagramでコメントされていました。どんな思いがありますか?

自分は3、4番手の脇役にいることが多くて、それが合っている役者なのかなとも思うんです。主役と脇役、どっちの方がやりたいというのは特になくて、素敵な方たちと素敵な仕事ができるのが一番だと思っています。でも、自分はこうだろうなと決めつけるのは面白くない。それに主演にしか見えない景色があると思うので、あえて「やりたい」と口に出すようにしていました。

――主演という責任からも逃げたくないということでしょうか。

そうですね。僕が今まで舞台をやらせていただくとき、主演俳優はチケットが即完するような方々でした。劇団☆新感線も、劇団だけで売れるのに、更にそこに人気者の方が出演していますよね。

興行って、良い演出家と良い芝居をするだけじゃダメで。テレビで勝地を観るのは面白い、じゃあチケット代を払ってまで見に来てくれる方がどれだけいるのか。それを増やしていくために頑張らなきゃいけないと思います。

――では最後に「夜叉ヶ池」の見どころを教えてください。

この「夜叉ヶ池」というタイトルやビジュアルの印象だけだと、難しいのかな?と感じるかもしれませんが、話としてはすごくわかりやすいと思います。泉鏡花の美しい、想像をかきたてる台詞を通じて、演じる側の僕らと、観ている客席が一緒になって、ひとつの情景のイメージを共有できたらいいなと思っています。それが舞台ならではの面白さだと思うので、楽しんでいただければ嬉しいです。

勝地涼撮影=友野雄


■取材・文/WEBザテレビジョン編集部
撮影/友野雄