コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、たけみつさんが描いた『不眠男と空腹女』をピックアップ。
空腹限界に耐えられず壁から生えてしまった音楽少女と、不眠に悩む社畜男子とのやりとりが尊いと話題を集めている本作。作者のたけみつさんが4月2日にTwitterに投稿したところ、5.2万以上の「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、たけみつさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
ある日の仕事終わり、男性が家に帰ってくると、壁から女の子が生えていた。話を聞くと、部屋を模様替えしている最中に家具をぶつけ穴が開いてしまったらしい。謝罪をし、一度は部屋に帰った女の子だったが、男性が晩ご飯を作り始めると、また壁から生えてきたのだ。
晩ごはんを半分あげると伝えると「世界一美味しい…」と泣きながら食べ始める女の子。どうやら音楽学校に通っているようで、夜が眠れないと打ち明ける男性に「リラックスできる曲を弾いてあげる」と持ち掛けたのだった。
はじめは音楽が持つリラックス効果を疑っていた男性だったが、気付けばピアノの音色を聞きながらぐっすりと睡眠していた。次の日も壁から申し訳なさそうに生えている女の子に男性は、ご飯と引き換えにまた曲を弾いてほしいと提案し…。
食欲と睡眠欲を満たし合う2人の持ちつ持たれつな関係がほっこりすると話題の本作。Twitter上では「最高にWin-Winな関係」「神作の予感」「全男子の憧れ」「壁から生えてるのかわいすぎる」「最高です」などのコメントとともに、「壁はいつなくなる…?」「なにかが始まりそう」などの今後、関係が進展することを願う声も多く集まり、話題となっている。
――『不眠男と空腹女』を創作したきっかけや理由があればお聞かせください。
自分の描く話はヒロイン側がすでに主人公に惚れているという話が多かったので、今回はそうした感情は最初はなく、利害関係からのスタートの話を描きたいと思いまして。この利害関係も、三大欲求の二つにしたらどうかなと思って、空腹を満たすために食事を提供し、じゃあ睡眠を提供するにはどうすればいいのか、とかいろいろ考えたら今回の話に繋がってきた感じです。
――本作では、食欲と睡眠欲を満たし合うことで繋がるゆるい2人の関係が印象的です。本作を描くうえでこだわった点があればお聞かせください。
お互いが、お互いの求めているものにがっちりはまっているというのが大事なので、そこは丁寧に描きました。そうした利害関係から、お互いの人となりを知って惹かれていくみたいなのが描きたいなーって。
まだ出会ったばかりの2人なので、そこから始まる関係というのをしっかり描いていきたいです。
――本作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。
壁の穴からヒロインが生えてるシーンが何か所かありますが、そこが全体的に好きですね。
壁から生えてるという表現が好きなのと、上半身だけ出てるのがかわいく描けた気がするので。
――たけみつさんは本作以外にも様々な男女の関係を描いた作品が多くあるようにお見受けします。物語を創作する際、どのようなところから着想を得ているのでしょうか
漫画の設定を考える時はまずヒロインのキャラクターから考えます。飼い犬が転生した少女、無骨な鎧を着た少女、二重人格少女、みたいな感じでそこが物語の中心になることが多いので。それが決まってから、それに合う主人公であったり舞台設定であったりを考えていきます。
――たけみつさんの今後の展望や目標をお教えください。
新しくシリーズを描き始めたので、それを綺麗に完結させるのが今の目標です。その過程で、もっと絵が上達したり、もっと絵を描くのが早くなったりすればと思います。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
Twitterには本当に多くの漫画が無料であり、その中にはプロの方々と比べても遜色のない漫画も多くあります。そうした中で拙い自分の漫画を読んでくれ、コメントまでして下さる方々もいて、言葉では表せないほど感謝しております。そうした方々に自分ができるのは、結局面白い漫画をたくさん描くということだけです。
なのでより面白い漫画を、よりたくさんお届けできるよう頑張りますので、その時はまた見て下さると幸いです。
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