コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、元極道の祖父がゲーマーの孫と初めてテレビゲームをする姿を描いた『極道じぃちゃん、鬼畜ゲーで最強になる』をピックアップ。
本作は、原作・藍葉悠気さん、作画・佐藤貴彬さんによって描かれ、月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)4月号に掲載された読み切り漫画だ。原作者である藍葉さんが3月25日に本作をTwitterに投稿したところ、1.9万以上の「いいね」が寄せられ、SNS上でも話題を集めている。この記事では、藍葉悠気さん、佐藤貴彬さんのお二人にインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。
若くして侠勇会の若頭を務め、百を超える喧嘩や抗争を拳ひとつでねじ伏せてきた玄田忠信。それから40年が経った現在は、組から足を洗い一人ひっそりと暮らしていた。そんなある日、忠信の元に娘から一通の手紙が届く。その内容は、小学6年生の孫・玄田花を夏休みのあいだだけ預かってほしい、というお願いだった。
忠信の家を訪れた花は、早々に「テレビを使わせてほしい」と言いゲーム機のセッティングを始める。初めてテレビゲームを目にする忠信は、花に説明されるも理解できず、会話もままならないでいた。
次の日もゲームに明け暮れる花に、距離を感じる忠信。しばらくして花がトイレに立つと、放置された画面の中でキャラクターが敵と遭遇して激しく攻撃を受けていた。それを見て驚き、心配になった忠信が対処しようとコントローラーを操作してみるも失敗し、“あること”をやらかしてしまう。落ち込む花に「ケジメをつけさせてほしい」と申し出た忠信は、花と2人で初めてRPGをやってみることになり…。
元極道の祖父と、引きこもりゲーマーの孫がゲームを通して絆を深める姿が描かれた本作。喧嘩では負け知らずの祖父ならではの活躍を描いた爽快なストーリー展開と、卓越した画力で魅せる圧巻の対戦シーンも話題を集めている。Twitter上では「最高で激熱」「すごくワクワクした!」「めちゃくちゃ面白かった」「おじいちゃんかっこいい!」「読み切りなのがもったいない!」「こんなおじいちゃん欲しい」など、読者からのコメントが多く寄せられ反響を呼んでいる。
――藍葉悠気さんにお尋ねします。『極道じぃちゃん、鬼畜ゲーで最強になる』はどのようにして生まれた作品ですか?
藍葉悠気:「歳を重ねても、それまで得てきた能力によって、新しく活躍できる場が見つかる」っていうのは素敵なことだなと思い、それを「おじぃちゃんとゲーム」という、一見すると関連性が遠そうな組み合わせで再現すると、より伝わるんじゃないか、と考えたのが、きっかけです。
――元極道のおじいちゃんと、引きこもりでゲーマーの孫・花、それぞれのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?
藍葉悠気:元極道のおじいちゃんは藍葉の実の祖父、ゲーマーの孫は藍葉の実の娘がモデルです。祖父はもう亡くなっていますが、生前に孫の顔を見せてあげられなかったので、漫画の中だけでも二人を会わせることが出来て、嬉しかったです。
――佐藤貴彬さんにお尋ねします。『極道じぃちゃん、鬼畜ゲーで最強になる』について、原作を元におじいちゃんと花それぞれのビジュアルを生み出す際、特に意識した点やこだわった点があればお教えください。
佐藤貴彬:ゲーム中のデザインをかなり好き勝手にさせていただいた一方、人間のキャラは藍葉さんの持つイメージの雰囲気を崩さないよう意識しました。感情の動きが激しいシーンは表情や動作を強めにアレンジして描いていますが、反対に言葉の少ないシーン等は原作ネームの絶妙な表情をできるだけ再現するよう心がけています。
――本作を漫画として仕上げていくうえで印象深かったエピソードはありますか?
佐藤貴彬:今までweb上で活動していた自分としては、初めての誌面掲載となる作品でしたので嬉しかったです。また完成後の話になってしまいますが、仕上がりを他の作家の方々と比較できた事で色々な気付きを得られたのが良い経験になりました。
――本作の中で、お二人にとって特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば教えてください。
藍葉悠気:後半の、おじいちゃんと孫が二人並んでゲームをしているのを、後ろから描いた1コマです。この1コマのシルエットから感じさせるノスタルジーが、本作の狙いのひとつでもありました。
佐藤貴彬:クライマックスの見開きです。アクションパートは僕の味を出して自由に描いて欲しいとの事でしたので、見やすく・迫力ある絵にできるよう頑張りました。
――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
藍葉悠気:本作を読んでいただき、誠にありがとうございます。これからも様々なジャンルに挑戦していきたいと思っておりますので、作画の佐藤さん共々、何卒よろしくお願い致します。
佐藤貴彬:読んでくださった方々、感想をくださった方々、ありがとうございました。今後も色々な作品を作っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)