WOWOWプライム、WOWOWライブにてボクシング世界戦のビッグマッチが7、8月に生中継。
7月2日(日)には、オーストラリアのブリスベンで「WBO世界ウェルター級タイトルマッチ」が開催される。同試合はチャンピオンのマニー・パッキャオ選手と挑戦者で同級2位、ジェフ・ホーン選手の12回戦。
パッキャオ選手は20kg近い体重の壁を破り、6階級制覇を成し遂げている。
注目の一戦について、当日ゲスト解説を務める2012年のロンドン五輪金メダリストで、WBA世界ミドル級2位の村田諒太選手に話を聞いた。
――フィリピンの上院議員でもあるパッキャオ選手は、昨年4月に一度は引退しましたが、復帰すると思いましたか？
彼はフィリピンの恵まれない人たちを助けている人で、それがボクサーとしての現在のパッキャオのモチベーションなんだと思います。議員の報酬だけですべてを賄えるかというと難しい。だから多額の報酬が見込めるボクシングは不可欠なんでしょう。
――11月の復帰戦で世界王座に返り咲きましたが、試合ぶりはいかがでしたか？
上院議員の仕事が忙しく以前のような練習量が確保できていないと思うので、スタミナを使う戦い方ではないように感じました。
全盛期のスピードではなかったけれど、出入りの速さはありましたね。以前のように強引にKOを狙っていくボクシングではないけれど、その分、試合運びが巧みだなと思いました。今は相手にとって捉えどころのない、勝ちづらい選手になっていますね。
――パッキャオ選手の一番の魅力はどのあたりでしょうか？
一瞬の踏み込みで相手を倒してしまうスピードですね。普段はボクシングを見ない人がパッキャオの試合を見ても芸術的なものを感じられると思います。ハイライトなんて見たら絶対にスゴイと感じると思いますよ。
――どのような試合展開が予想されますか？
パッキャオはステップを巧みに使って出入りのボクシングをすると思います。そして隙を狙ってサウスポーからの左ストレートを打つというスタイルでいくでしょう。これに対しホーンは直近の試合ではダウンしているけれど挽回しているし、気持ちが強そうですね。面白い試合になると思います。
――パッキャオ選手のKO勝ちが期待されていますが…。
最近のパッキャオはリスクを避けて強引に出ていかないところがあるので、僕は「パッキャオの判定勝ち」と予想します。でも、もちろんパッキャオのKO勝ちもあると思います。
――最後に今回の試合、どこに注目すればいいのか教えてください。
一つは、パッキャオという選手のボクシングの面白さ、スピード感であるとか一瞬の踏み込みであるとか、そんな芸術性に注目してもらえればうれしいですね。
もう一つは、二人の男が殴り合う、それを見るために5万人の人が集まる。これもスゴイじゃないですか。そんな世界観も見てほしいですね。
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