岩田剛典“新名”の妻への優し過ぎる気遣いが心苦しくさせる<あなたがしてくれなくても>

2023/04/21 11:34 配信

ドラマ レビュー

届かない新名の思い


仕事に励む楓を、家事をこなして献身的に支える新名。実は、新名の母・幸恵(大塚寧々)は、専業主婦として長く家族を支え、夫の顔色をうかがって自分の意見を言わずに過ごしてきた。新名はそんな母が自分を犠牲にしているようで、真逆ともいえる楓に引かれたのだった。

楓が入院している幸恵のために忙しい合間をぬってプレゼントを届けに来てくれたことを純粋に喜んだ新名。

だが、楓は、遅くに帰宅した自分を新名が起きて待ってくれていることに「起きてなくていいよ」と言い、それでもお茶を入れてくれようとしている新名に「聞こえなかった?」と声を荒げてしまった。

“花”を巡り、みち夫婦と新名夫婦の切ない展開


互いに夫婦の悩みを打ち明けたことで、しばらく気まずい空気が流れていたみちを飲みに誘った新名。お花見のときにみちを抱きしめてしまったのは、自分と重ねて自分をなぐさめたかったこともあったのだと謝った。パートナーに拒否される痛み、苦しみが分かる2人は、“レス解消の戦友”として話が弾んだ。

そして、もう一度妻と向き合おうと思った新名は、結婚記念日に花を買い、レストランで楓を待った。だが、楓は仕事で食事には間に合わず、その後に予定していたホテルに駆け付けた。疲れて眠ってしまいそうな楓にキスしようとして拒まれるが、「今日だけでも頑張ることはできない?」と言う新名。楓は「それで誠が満足するなら」と服をおもむろに脱ぎだす。新名がそれをとめると、楓は「私、遊んでるわけじゃないんだよ! 誠は分かってくれてるって思ってた」と言った。

楓が仕事を大切にしたい思いも理解できる。一方で、愛する思いが満たされない新名がとても切なく、苦しい。

SNSには「新名さま抱きしめてあげたい」「報われなさすぎて可哀想」「新名さんの気持ちも、楓の気持ちも分かる」などの反響が寄せられた。

ラスト、傷心の新名はみちに電話をかける。だが、そのときみちは、陽一から突然、花のプレゼントをもらい、体を重ね合わせていた。実は、その前に、陽一はカフェでアルバイトをすることになった三島(さとうほなみ)にキスをされ、自分からも返していたのだ。果たして、陽一の真意は…。

2組の夫婦の思いのすれ違いに、切なさがこれでもかと押し寄せる展開となった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部