鮮やかな桃色の暖簾をくぐって出迎えてくれたのは、一秀庵の女将。海を望む小屋では、穏やかな玄界灘を望みながらチェックインの作業を進める。チェックイン中には、地元の酒蔵で作っている日本酒「田中六五」という“ふるまい酒”と、パウンドチョコとわらび餅のつまみも。1日2組限定の宿ならではの豪勢なもてなしに、すっかり気持ちがほぐれたようだ。
香が炊かれた玄関を超え、客室に案内された小田井。木造のゆったりとした客室にはテレビ・時計がなく、日常を忘れられるくつろぎ空間に仕立てられている。「お帰りの際には『こんなに話してなかったね』とか『よく会話したね今回』と言っていただけるのが嬉しい」と女将の想いを聴いた小田井からは、「せっかくこういうコンセプトなのに、なんで1人で泊まるの…」とジョークが飛び出した。
客室からは180度の景観で玄界灘が楽しめるだけでなく、水平線の向こうに夕日が沈むさまも堪能できる。宿には2組しかいないため、ゆったりと景色を楽しめるのも魅力の1つ。
特にこだわっているという食事は、糸島で獲れる魚介や山の幸をふんだんに使った色味豊かな創作懐石。黄ニラのお浸し1つをとっても、軽快な歯ごたえと強い甘みに感動するレベルだという。お造り盛り合わせには7種類の九州産の刺身が楽しめる。醤油のほかに柔らかい味わいの「またいちの塩」が用意されており、わさびと合わせて「わさび塩」で食べるのがおすすめだとか。
ヒラマサともいうヒラスのウニのせをわさび塩で食べてみた小田井は、顔を手で覆って「これヤバいなあ。めちゃくちゃ美味いな…」と感動しきり。余程気に入ったのか、「女将ごめん、俺全部これでいいわ」というほどハマってしまったようだ。
続いて出てきたのは、A5ランクの糸島でしか出回っていない糸島牛。厚く切ってあるにもかかわらず柔らかく、コクの強いソースが肉の甘みを引き立てているという。目を丸くして絶賛する表情には、強い喜びがにじんでいた。
シメは春の山菜、小松菜と揚げたジャコが入った土鍋ご飯。好みで毛ガニやいくらをトッピングして食べる豪勢なご飯には、小田井も食べる前から「カニとジャコくんのいい匂いがしています!」と期待を膨らませてしまう。もちろん期待にたがわず美味だったようで、「永遠にイケるでこれ」と大満足していた。
夕食のあとはヒノキ風呂の内湯へ。キャンドルが置かれた雰囲気ばっちりのお湯に浸かった小田井は、思わず「くぁーっ!気持ちいいー!」と叫ぶ。
そして女将やスタッフのもてなしについて「人へのおもてなしが本当に好き」だからこそできるサービスなのではないかと考える小田井。感謝の気持ちを込めて、誰にともなくアカペラで歌を披露した。
翌朝は砂浜を散歩しつつ、「めちゃくちゃ夜静かでした」「ぐっすり寝られましたね」と都会にはない静寂にも感動。ちなみに小田井は入っていなかったが、夜の内風呂とは趣の異なる岩風呂などで朝風呂も楽しめるという。
食事にこだわりがあるという一秀庵は、朝食にも山海の幸を使った豊富な品数が並ぶ。なかでも特に小田井を驚かせたのは、糸島のソーセージ。「目ぇ覚めたわ」と漏らす小田井だが、感動を伝える相手がいないことを惜しんでいた。
最後は宿をあとにしつつ、宿のスタッフから寄せられた数々の心づくしを振り返って「お腹いっぱいです。それ以上に、心がいっぱいです」と笑顔を見せた。
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