舞台「ブルーロック」が5月4日(木)より開幕する。原作は「週刊少年マガジン」連載中の大人気サッカー漫画で、日本をW杯優勝に導くストライカーを育てるため、日本フットボール連合によって “ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトに集められた300人の高校生FWたちの戦いを描く。4月21日に開催された、本作の公開稽古および取材会をレポートする。取材会にはキャストの竹中凌平(潔世一役)、佐藤信長(蜂楽廻役)、松田昇大(國神錬介役)、佐伯亮(千切豹馬役)、小坂涼太郎(凪誠士郎役)、菊池修司(御影玲王役)のキャスト陣に加え、アニメ「ブルーロック」主演を務める声優の浦和希も登壇した。
初日公演を目前に控えた4月21日。稽古場では、稽古前からユニフォームに身を包んだキャストたちがボールを使ってパス回しやストレッチをしており、さながらサッカー部のような雰囲気が広がる。この日の稽古にはTVアニメ「ブルーロック」で潔世一の声優を務めた浦和希も見学に。やや緊張感も漂わせつつ、活気溢れる稽古が始まった。まずはストレッチから。声を掛け合う姿はまるで実際の試合前。ランダムにペアで組む部分では、自然と凪誠士郎役の小坂涼太郎と御影玲王役の菊池修司が組むなど、キャスト陣のチームワークもすでに出来上がっていた。
ストレッチのあとにはプレイについての簡単な講義も盛り込まれ、サッカーの基礎知識もしっかり俳優陣に叩き込んでいく。演技やストーリーを描くだけでなく、サッカーへの理解、リスペクトも込めた作品作りが感じられる。
体を慣らしたところで、 “ブルーロック(青い監獄)”プロジェクト一次選考の場面稽古へ。ステージ上にキャストが入れ替わり立ち代わり登場することで、高速な試合展開を表現していく。演出を手がける伊勢直弘からは「そこで止まってしまうとテンションが落ちてしまうから、(テンションを)上げていって」など、スピード感と緊迫感を保つよう指示が飛ぶ。キャストから「蹴ったときに、身体ごと向いちゃっていいですか?」とボールの行方を表現するための細かな確認が入るなど、臨場感を持って試合展開を表現するための工夫も随所に現れる。また演出家がコミックを取り出し、キャストとともに原作を確認しながらの演出作りをする場面もあった。
緊迫感のあるシーンが続き、袖に控えるキャストも展開を思わず見守る。参加者たちの“覚醒”シーンでは、それぞれが迫真の演技を見せた。1時間弱の稽古にも関わらず俳優陣は大粒の汗を光らせており、その大変さを感じさせつつも、充実感も見せていた。
──稽古を重ねてきた、現在の心境を聞かせてください。
菊池修司(御影玲王役) 稽古に入る前は「この世界をどう舞台で表現するんだろう」と思っていたんですけど、カンパニーのみんなと、伊勢(直弘/演出)さんをはじめとするスタッフの皆さんのおかげで少しずつ形になっていって。僕ら自身すごくワクワクする作品になっていることを実感しながら稽古をしています。さらに煮詰めて、みんなで切磋琢磨して素敵な作品をお届けしたいと思っています。
小坂涼太郎(凪誠士郎役) 今のところ稽古はすごくスムーズに進んでいます。早い段階で0から1にしてくれたことをとても感謝しています。1から100にするのは僕たちの仕事なので、ここから頑張ります。
佐藤信長(蜂楽廻役) 稽古期間が1ヶ月しかないということだったので、最初のほうは結構不安だったのですが、2人が言った通り本当にスムーズに進んでいって。今、一通り動きをつけ終わって、ここからブラッシュアップ段階。本番までにはなんとかお見せできる形になると思います。楽しみにしています。
竹中凌平(潔世一役) 大枠はだいたいできてきたので、あとは中身を決めていく段階です。今日、皆さんが見に来てくださったことによって役者も身が引き締まりましたので、これからさらにがんばっていきたいと思います。
松田昇大(國神錬介役) みんなでストレッチしたりと、稽古場が部活っぽい雰囲気で、すごく楽しく稽古させていただいています。今日は大人の方々がたくさんいてすごく緊張したんですけど(笑)、みんなで楽しく本番を迎えられるようにしっかり作り上げていければなと思っています。
佐伯亮(千切豹馬役) とても疲れる舞台です。まだまだ疲れたいと思います。
──浦さんは今日、稽古をご覧になっていかがでしたか?
浦和希(アニメの潔世一役) いや〜、すごいなと思いましたね。アニメのアフレコは、言ってしまえば立ってセリフをしゃべるだけでいいんですけど、皆さんは動きながらセリフを言うので。僕も役作りの一貫で、動きながらセリフを言う挑戦をしたことがあるのですが、全然できなかったのに、皆さんはそれを、しかも立体的な舞台の上で演じられていて。すごいなと、シンプルに役者として尊敬しました。あとは演出もすごい。サッカーの大きなフィールドも、アニメだといくらでも描きようがありますが、舞台だと“舞台上”という制限があって。その中でどういう風にフィードの広さやパスワークが表現されるのかなとワクワクしながら見ていたのですが、見事に表現されていて、すごく本番が楽しみになりました。
竹中 恐縮です。
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