ロバート・秋山竜次扮(ふん)する最先端のクリエイターに迫る「クリエイターズ・ファイル」。今回は、ハッピーなネットニュースに必ずつく“辛辣な意見”をあえて書き込む辛辣コメントクリエイティブ集団への接触に成功。彼らが日夜コメントを書き込む地下のアジトで、代表を務めるIPPO氏(48歳)のインタビューに成功した。
――初取材ということでお受けいただきありがとうございます。早速ですが「辛辣コメントクリエイティブ集団」とはどのような活動をしているのでしょうか?
え?そっからですか?ていうかまずここの場所と私が許可した写真以外掲載しないでいただきたいんですけど。えっと、世の中にネットニュースって当たり前にありますよね。その中でよく「称賛の声が寄せられた」ってあると思うのですが、「称賛」されるには「辛辣」が必要なんですよ。ハッピーなニュースって、ハッピーだけじゃ読者は喜ばないんです。これ、日本の人間の仕組みなんです。幸せな事柄だけじゃなく、「一方…」という辛辣なコメントが絶対に必要だからです。特に日本人は「一方」の後から始まる辛辣な意見が大好物ですから(笑)。なので、私たちはその「一方」という批判的部分を、皆さんのために背負ってコメントしている集団なんです。
世の中的にはそんなに好かれる仕事ではないです。けど私たちの辛辣コメントが読まれているのは事実。変な話、あんまり語りたくないですよ。先ほどの約束だけ守っていただけますよね。私も家族がいるので。
――約束は守ります。世間のあらゆるニュースで「一方…」にあたる辛辣なコメントを書き込まれているんですか?
まあほとんどの辛辣な意見は私たちが書き込んでいます。本音を言うと、自分はそういうタイプではないんです。ハッピーであれば喜ぶし、それが一番だと思っています。ただ悲しいことにハッピーなニュースだけじゃ「満足できない」「物足りない」「鼻につく」「何か落ち度が欲しい」と思ってる人間がたくさんいるのです。特に日本は多いですよ。なので、私もつらいですが、皆さまのために自分がわざと世の中に噛みついて「一方!」の後に続く辛辣なコメントを残してるんです。つらいです。噛みつきようがないニュースにだって噛みつくのですから。
――結構無理やりってところもあるんですか?
無理やりに近いですね。根っこが腐った人間じゃないといちいち噛みつけませんよ。なのでほんとにつらいです。称賛の声が上がらないでほしいです。称賛の声が上がると私たちがコメントしなきゃいけなくなるので。
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